辞書を使って意味を確かめよう:初見文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「辞書を使って意味を確かめよう」の出口です。入試では辞書を引けませんが、辞書の番号を選ぶ手順は、そのまま「多義語の意味を文脈で決める」問題に使えます。ここでは、入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、「──線部と同じ意味で使われているものを選べ」という問題を、用例の形の比較で解くことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
多義語は、次の形で出ます。
- 同じ意味の選択:「──線部『かたい』と同じ意味で使われているものを選べ」。選択肢に別の意味の「かたい」が並びます。
- 語義選択:「──線部の意味として最も適切なものを選べ」。辞書の番号を選ぶのと同じです。
- 記述:「──線部はどういうことか」。辞書の説明を文脈に合わせて言い換えます。
どれも、「どの番号か」を用例の形で決める手順で解けます。
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
兄は、昔から①口が重い。家族の前でも、聞かれたことに短く答えるだけだ。だが、料理のことになると別人のように話が②弾む。先日も、新しい包丁の③切れ味について三十分も語った。彼にとって料理は、言葉を引き出す④鍵なのだと思う。
問1
①「口が重い」の意味として最も適切なものを選びなさい。
ア 口数が少ない イ 口が大きい ウ 発音が不明瞭だ エ 食べるのが遅い
問2
②「弾む」と同じ意味で使われているものを選びなさい。
ア ボールがよく弾む イ 会話が弾む ウ 息が弾む エ お礼を弾む
問3
④「鍵」と同じ意味で使われているものを選びなさい。
ア 家の鍵をかける イ 鍵を落とした ウ 事件を解く鍵 エ 鍵が壊れた
問4
④「鍵」はどういうことか、「〜もの」の形で説明しなさい。
答えと判断
問1
ア。「口が重い」は慣用句で「口数が少ない」。文脈の「短く答えるだけ」と通ります。慣用句の欄を見る型④の対策です。
問2
イ。本文の「話が弾む」は「勢いづいて盛り上がる」。アは物理的に跳ねる、ウは呼吸が荒くなる、エは気前よく多く出す。「〜が弾む」で主語が話・会話のものを選びます。
問3
ウ。本文の「鍵」は「問題を解決する手掛かり」。ア・イ・エは物としての鍵。「解く鍵」「言葉を引き出す鍵」と形を比べます。
問4
「兄から言葉を引き出すきっかけになるもの」。辞書の「手掛かり」を、文脈の「言葉を引き出す」に合わせて言い換えます。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1でイ | 慣用句を一語ずつ読んだ | 誤った言い換えを直す(型④) |
| 問2でア | ①の意味を機械的に当てた | 誤った言い換えを直す(型①) |
| 問3でア | 用例の形を比べなかった | 誤った言い換えを直す(型②) |
| 問4で「手掛かりのこと」 | 説明文の丸写し | 誤った言い換えを直す(型③) |
「同じ意味」の問題の解き方
| 段階 | すること |
|---|---|
| 1 | 本文の──線部の意味を文脈で見当づける(番号を決める) |
| 2 | 選択肢の一つ一つを、同じ番号か別の番号かで分ける |
| 3 | 主語・目的語・助詞の形を本文と比べる |
| 4 | 同じ番号で同じ形のものを選ぶ |
選択肢は、たいてい「物理的な意味」と「比喩的な意味」に分かれます。本文がどちらかを先に決めると、半分に絞れます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 本文の番号を先に決めたか | 選択肢から入っていないか |
| 物理的か比喩的かを分けたか | 鍵(物)/鍵(手掛かり) |
| 用例の形を比べたか | 〜が弾む(話)/〜が弾む(ボール) |
| 慣用句ではないか | 口が重い、目が高い |
| 記述は文脈に合わせたか | 辞書の説明を写していないか |
よくある間違い
選択肢を先に読んで、本文の意味を決めずに選ぶ
本文の番号を先に決めます。決めずに選ぶと、形が似ているだけの選択肢に引かれます。
物理的な意味の選択肢を無意識に正解だと思う
本文は比喩的な意味で使われることが多いのです。物か様子かを先に分けます。
記述で辞書の説明をそのまま書く
文脈の主語と目的語を入れて、自分の言葉にします。
自分で説明しよう
確認1:「同じ意味で使われているもの」の問題で最初にすること
本文の──線部の意味を文脈で決めること(番号を決めること)です。
確認2:「会話が弾む」と「ボールが弾む」を分ける手掛かり
主語が物(ボール)か様子(会話)か。用例の形の比較です。
確認3:「口が重い」を解くときに見る辞書の欄
慣用句の欄です。一語ずつでは意味が決まりません。
セクションの出口
入試形式で、本文の多義語の番号を先に決め、用例の形で選択肢を絞り、記述で文脈に合わせて言い換えられたら完了です。
次のセクション「具体的な言葉と抽象的な言葉」では、言葉が示す範囲の広さと具体度の違いを理解し、抽象的な説明と具体例を結びつける方法を扱います。
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