LESSON 01

語彙力の理解度チェック

語彙力の理解度チェック:手掛かりから意味を決める

知らない語に出会ったときに使う四つの手掛かり(語のつくり・前後の文・対になる語・具体例)を診断し、どの手掛かりが使えていないかを見つけます。

語彙力の理解度チェック:手掛かりから意味を決める

このレッスンの役割

前のレッスンでは、知っている語を三段階で診断しました。ここでは、知らない語に出会ったときの対処を診断します。入試本文では辞書を引けません。知らない語の意味を文中の手掛かりから決める力が、語彙力のもう一つの柱です。

今回の中心技能は、知らない語に対して四つの手掛かりのどれが使えるかを言い、自分がどの手掛かりを使えていないかを見つけることです。目安時間は9分です。

今日の問い

次の文の「払拭」の意味を、辞書なしで決めてください。

一度ついた悪い印象を払拭するのは難しい。つまり、相手の心から完全に取り除くには時間がかかるのだ。

「払」は「はらう」、「拭」は「ふく」。語のつくりから「はらいのけて、ふき取る」と見当がつきます。前後を見ると「つまり、完全に取り除く」と言い換えがあります。二つの手掛かりが同じ方向を向いたので、「すっかり取り除くこと」で確定です。

四つの手掛かり

手掛かり 見るもの 「払拭」の場合
① 語のつくり 漢字の意味、部首、熟語の組み立て 払(はらう)+拭(ふく)
② 前後の文 言い換え(つまり)、具体例(たとえば)、原因と結果 「つまり、完全に取り除く」
③ 対になる語 「〜ではなく」「一方」で示される反対の語 なし
④ 具体例・言い換え 同じ段落で別の言葉で言われている箇所 「取り除く」

四つとも毎回そろうとは限りません。二つ以上が同じ意味を示せば、当てずっぽうではなくなります。

診断:どの手掛かりが使えるか

次の三問を解き、どの手掛かりを使ったかを書いてください。

問1

彼の説明は冗長で、要点がなかなか見えなかった。

「冗長」の意味は何でしょうか。

問2

この地域の気候は温暖ではなく、むしろ冷涼だ。

「冷涼」の意味は何でしょうか。

問3

彼女は几帳面だ。たとえば、机の上の文房具はいつも同じ位置に並び、提出物は必ず期限の前日に出す。

「几帳面」の意味は何でしょうか。

答えと使った手掛かり

問1

「むだに長い」。手掛かりは①(冗=むだ、長=ながい)と②(「要点が見えなかった」という結果)。

問2

「少し寒いくらいに涼しい」。手掛かりは③(「温暖ではなく」と対で示されている)と①(冷+涼)。

問3

「細かいところまできちんとしている」。手掛かりは④(「たとえば」のあとの具体例)。①は「几帳」が机の意味だと知らないと使えないので、ここでは④が主役です。

診断結果の読み方

できなかった問 使えていない手掛かり 戻るセクション
問1 語のつくり 漢字や言葉のつくりから意味を考えよう
問2 対になる語 対義語から意味を捉えよう
問3 具体例・言い換え 前後の文脈から意味を推測しよう

三問とも解けた人は、手掛かりの使い方は身についています。このコースでは、手掛かりごとに精度を上げていきます。

手掛かりを使ったあとの確かめ

仮の意味が決まったら、文に戻して読みます。「彼の説明はむだに長くて、要点がなかなか見えなかった」。意味が通れば確定です。通らなければ、別の手掛かりを探します。この「文に戻す」一歩を飛ばすと、思い込みで読み進めてしまいます。

よくある間違い

知らない語で止まって先に進まない

手掛かりは語の前後にあります。止まらずに一文、できれば次の文まで読むと、言い換えや具体例が見つかります。

一つの手掛かりだけで決める

語のつくりだけで決めると、「逆説=逆の説明」のような誤りが起きます。もう一つの手掛かりで確かめます。

文に戻して確かめない

仮の意味を文に入れて読み、意味が通るかを見ます。通らなければ仮の意味が違います。

自分で確かめよう

確認1:四つの手掛かりを言ってください

語のつくり、前後の文(言い換え・具体例・因果)、対になる語、同じ段落の具体例・言い換え。

確認2:「彼は寡黙で、会議でもほとんど発言しなかった」の「寡黙」を、手掛かりを示して説明してください

「口数が少ない」。手掛かりは①(寡=少ない、黙=だまる)と②(「ほとんど発言しなかった」という具体的な様子)。

確認3:仮の意味が決まったあとにすることは何ですか

文に戻して読み、意味と論理が通るかを確かめます。

まとめと次の一歩

知らない語は、語のつくり、前後の文、対になる語、具体例・言い換えの四つの手掛かりで意味を決めます。二つ以上の手掛かりが同じ意味を示せば確定し、最後に文に戻して確かめます。使えていない手掛かりが、コースで強化するところです。

次のレッスンでは、意味は分かっているのに言い換えで誤る型を診断します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:四つの手掛かり

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「一度ついた悪い印象を払拭するのは難しい。つまり、完全に取り除くには時間がかかる」の「払拭」の意味はどれですか。
  2. 設問 1
    「この地域の気候は温暖ではなく、むしろ冷涼だ」で「冷涼」の意味を決めるのに使った手掛かりはどれですか。
  3. 設問 2
    「彼女は几帳面だ。たとえば、文房具はいつも同じ位置に並ぶ」で「几帳面」の意味を決めるのに主に使う手掛かりはどれですか。
  4. 設問 3
    「彼の説明は冗長で、要点がなかなか見えなかった」の「冗長」の意味はどれですか。
  5. 設問 4
    仮の意味が決まったあとに必ずすることはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。