慣用句・ことわざ・四字熟語:初見文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「慣用句・ことわざ・四字熟語」の出口です。三つの種類と四点の覚え方、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、慣用表現の意味選択・正誤判定・空欄補充に答え、読解文中の慣用表現から心情や主張を読むことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
慣用表現は、四つの形で出ます。
- 意味選択:「──線部の意味として適切なものを選べ」
- 正誤判定:「次のうち、慣用句が正しく使われているものを選べ」
- 空欄補充:「空欄に入る語を漢字一字で答えよ」(体の部分が多い)
- 読解の中で:心情や主張が慣用表現で示される
総合問題
問1
次の──線部の意味として最も適切なものを選びなさい。
彼女の助言は、まさに的を射ていた。
ア 厳しすぎた イ 要点を正確に捉えていた ウ 遠回しだった エ 的外れだった
問2
次のうち、慣用句が正しく使われているものを選びなさい。
ア 彼は気が置けない人なので、油断できない。 イ 新人には役不足な仕事なので、簡単なものから任せた。 ウ 議論が煮詰まり、ようやく結論が見えてきた。 エ 彼の失敗を他山の石として、手本にしよう。
問3
次の空欄に体の部分を表す漢字一字を入れて、慣用句を完成させなさい。
彼は( )が広く、どの業界にも知り合いがいる。 母に( )が痛いことを言われた。
問4
次の文章の──線部から読み取れる「私」の心情を説明しなさい。
発表の順番が近づいてきた。原稿は何度も読んだはずなのに、頭が真っ白になりそうだった。隣の席の友人が「大丈夫」と言ってくれたが、私は生きた心地がしなかった。
答えと判断
問1
イ。「的を射る」は要点を正確に捉える。エは反対の意味。
問2
ウ。「煮詰まる」は本来「議論が進んで結論が近づく」。アは「気が置けない=遠慮がいらない」なので誤り。イは「役不足=役が軽すぎる」なので、新人に軽い仕事なら「力不足」が正しい。エは「他山の石=他人の悪い例を戒めにする」なので「手本にする」は誤り。
問3
「顔」(顔が広い=知り合いが多い)、「耳」(耳が痛い=欠点を指摘されてつらい)。
問4
「生きた心地がしない」は「不安や恐怖で、生きている実感がないほどつらい」。発表直前の強い緊張と不安で、友人の励ましも届かないほど追い詰められた気持ち。「頭が真っ白になりそう」と合わせて読みます。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1でエ | 字面(的)だけで反対に読んだ | 誤った言い換えを直す(型①) |
| 問2でア | 逆の意味で覚えている | 誤った言い換えを直す(型②) |
| 問2でイ | 役不足を力不足と混同 | 誤った言い換えを直す(型②) |
| 問3で「足」が広い | 慣用句の形を覚えていない | 意味の核をつかむ(四点) |
| 問4で「落ち着いていた」 | 慣用句の意味を字面で読んだ | 手掛かりから意味を決める(段階1) |
体の部分を使った慣用句
| 部分 | 慣用句 | 意味 |
|---|---|---|
| 顔 | 顔が広い、顔が立つ、顔に泥を塗る | 知り合いが多い、面目が保たれる、恥をかかせる |
| 耳 | 耳が痛い、耳を傾ける、耳を疑う | 指摘がつらい、注意して聞く、信じられない |
| 口 | 口が堅い、口が重い、口を挟む | 秘密を守る、無口、割り込んで言う |
| 手 | 手を焼く、手が離せない、手を貸す | 扱いに困る、忙しい、助ける |
| 腹 | 腹が立つ、腹を割る、腹を決める | 怒る、本心を話す、覚悟する |
| 目 | 目が高い、目がない、目を疑う | 見る力がある、大好き、信じられない |
空欄補充は、この表の形で出ます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 字面で決めていないか | 的を射る=正確(的外れではない) |
| 本来の意味か | 気が置けない、役不足、煮詰まる、他山の石 |
| 表記は正しいか | 射る/得る、返上/挽回 |
| 体の部分は合うか | 顔が広い、耳が痛い |
| 読解で心情に結びつけたか | 生きた心地がしない→強い不安 |
よくある間違い
正誤判定で「聞いたことがある使い方」を正しいと思う
誤用のほうが広まっている語句があります。本来の意味で判定します。
読解文中の慣用表現を飛ばす
心情や主張が慣用表現に込められていることが多いです。見つけたら意味を言います。
空欄補充で意味は分かるのに体の部分を間違える
「口が堅い」「頭が固い」のように、似た意味で部分が違う慣用句があります。形で覚えます。
自分で説明しよう
確認1:正誤判定の問題で判定の基準にするもの
本来の意味。広まっている誤用ではなく、辞書的な意味で判定します。
確認2:「生きた心地がしない」から読み取れる心情
強い不安や恐怖で追い詰められた気持ち。
確認3:「顔が広い」と「顔が立つ」の意味の違い
顔が広いは知り合いが多い、顔が立つは面目が保たれる。
セクションの出口
入試形式で、慣用表現の意味・正誤・空欄に答え、読解文中の慣用表現から心情を読めたら完了です。
次のセクション「比喩・擬音語・擬態語の効果」では、表現が伝える様子や感情を捉え、その効果を別の言葉で説明する方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。