LESSON 01

漢字や言葉のつくりから意味を考えよう

漢字や言葉のつくりから意味を考えよう:初見文・入試で使う

初見の論説文で、文脈に説明のない語を言葉のつくりから推測し、語義選択と言い換え記述に答える力を入試形式でまとめます。

漢字や言葉のつくりから意味を考えよう:初見文・入試で使う

このレッスンの役割

ここは「漢字や言葉のつくりから意味を考えよう」の出口です。三つのつくり、四段階の手順、誤りの四つの型を、初見の文章に付いた入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、文脈に説明のない語をつくりから推測し、文脈で確定して、語義選択と言い換え記述に答えることです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

つくりからの推測が必要になるのは、次の場面です。

  1. 語義選択で、本文に言い換えがない語が問われる
  2. 空欄補充で、「不・無・非・未」の付いた語を選ぶ
  3. 熟語の組み立てが問われる(「読書」と同じ組み立ての語を選べ)
  4. 記述で、本文の難しい語を自分の言葉に直す

どの場面でも、部品に分けてつなぎ、文脈で確かめる手順は同じです。

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

都市の再開発では、古い建物を①一掃して新しい街区を作る方法がとられてきた。しかし近年、古い建物を②改修して使い続ける考え方が広まっている。その背景には、建物が持つ歴史や記憶を③不可逆的に失うことへの反省がある。一度壊した建物は二度と戻らない。効率だけを基準にした開発は、街の④均質化を招き、どこへ行っても同じ風景を生む。多様な風景を守るためには、古いものと新しいものの⑤共存を目指す視点が必要だ。

問1

①「一掃」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 一つにまとめる イ すべて取り除く ウ 一度だけ掃除する エ 少しずつ減らす

問2

③「不可逆的」の意味を、部品の意味をつないで説明しなさい。

問3

④「均質化」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 品質が良くなること イ どれも同じようになること ウ 大きくなること エ 古くなること

問4

「改修」と同じ組み立ての熟語を選びなさい。

ア 善悪 イ 読書 ウ 温暖 エ 日没

問5

⑤「共存」を、本文に即して「〜こと」の形で説明しなさい。

答えと判断

問1

イ。「一(すべて)」+「掃(はらう)」で「すべてはらいのける」。文脈の「新しい街区を作る」と通ります。ウは「一」を「一回」と読んだ誤り。

問2

「不(〜でない)+可(できる)+逆(もどる)+的」で、「元にもどすことができない」。文脈の「一度壊した建物は二度と戻らない」で確定します。

問3

イ。「均(ひとしい)」+「質」+「化(〜になる)」で「質がひとしくなる」。文脈の「どこへ行っても同じ風景」で確定。アは「質」から「品質向上」と連想した誤り。

問4

ウ。「改修」は「改(あらためる)」+「修(なおす)」で似た意味を重ねる組み立て。「温暖」も同じ。アは反対、イは下が対象、エは主語と述語。

問5

「古い建物と新しい建物が、どちらも排除されずに一緒にあること」。「共(ともに)」+「存(ある)」に、文脈の「古いものと新しいもの」を入れます。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でウ 一部品の意味を誤った 誤った言い換えを直す(型③)
問2で「逆にできる」 打ち消しの見落とし 誤った言い換えを直す(型①)
問3でア 一部品だけで決めた 誤った言い換えを直す(型③)
問4でイ 組み立ての取り違え 誤った言い換えを直す(型②)
問5で「共存すること」 言い換えになっていない 手掛かりから意味を決める(段階2)

記述でつくりを使う

言い換え記述では、部品の意味をつないだものが、そのまま答えの骨組みになります。

段階 すること 問5の場合
1 部品をつなぐ ともに+ある
2 文脈の語を入れる 古いものと新しいものが
3 「〜こと」の形にする 一緒にあること
4 本文に戻して通るか 「〜を目指す視点」→ 通る

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
打ち消しの部品を見たか 不・無・非・未
全部品をつないだか 一字だけで決めていないか
読み下したか 組み立ての問題で関係を言ったか
文脈で確定したか 見当を文に戻したか
記述は「〜こと」か 語を写していないか

よくある間違い

知らない語を飛ばして答えない

部品のどれかは必ず知っています。分かる部品で骨組みを作れば、選択肢は絞れます。

組み立ての問題を感覚で解く

読み下せば必ず決まります。「改修=改めて修す」のように、関係を言葉にします。

記述で本文の語を写す

「共存=共存すること」は言い換えではありません。部品の意味に文脈を入れます。

自分で説明しよう

確認1:文脈に説明がない語に出会ったときの手順

部品に分ける、部品の意味をつなぐ、見当を置く、文脈で確定する。

確認2:「不可逆的」の部品と意味

不+可+逆+的で、元にもどすことができない性質。

確認3:熟語の組み立ての問題を解く方法

読み下して二字の関係(似た意味・反対・修飾・対象・主語述語)を言います。

セクションの出口

初見文で、説明のない語を部品から推測して文脈で確定し、語義選択・組み立て・記述に答えられたら完了です。

次のセクション「辞書を使って意味を確かめよう」では、辞書の複数の意味の中から文脈に合うものを選ぶ方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:つくりからの推測を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「古い建物を一掃して新しい街区を作る」の「一掃」の意味はどれですか。
  2. 設問 1
    「不可逆的」の意味はどれですか。
  3. 設問 2
    「街の均質化を招き、どこへ行っても同じ風景を生む」の「均質化」の意味はどれですか。
  4. 設問 3
    「改修」と同じ組み立ての熟語はどれですか。
  5. 設問 4
    「共存」を「〜こと」の形で言い換えたものとして適切なのはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。