慣用句・ことわざ・四字熟語:意味の核をつかむ
このレッスンの役割
「油を売る」は、油を販売することではありません。「猿も木から落ちる」は、猿の話ではありません。これらは、字面と意味がずれる決まり文句です。文脈やつくりでは意味が取れないので、別の覚え方が要ります。ここでは、三つの種類の違いと、覚え方の核をつかみます。
今回の中心技能は、慣用句・ことわざ・四字熟語の違いを言い、一つの語句を「意味・由来・場面・例文」の四点で説明できることです。目安時間は8分です。
今日の問い
次の三つは、それぞれどの種類でしょうか。
油を売る/猿も木から落ちる/臨機応変
「油を売る」は慣用句(二語以上の組み合わせで一つの意味。文の一部になる)。「猿も木から落ちる」はことわざ(教訓や真理を述べる一文)。「臨機応変」は四字熟語(漢字四字で一つの意味)。形で見分けられます。
三つの種類
| 種類 | 形 | 働き | 例 |
|---|---|---|---|
| 慣用句 | 二語以上の組み合わせ(動詞句が多い) | 文の中で動詞・形容詞のように使う | 油を売る、耳が痛い、手を焼く |
| ことわざ | 一文の形。教訓・真理 | 文全体で一つの主張。引用して使う | 猿も木から落ちる、急がば回れ |
| 四字熟語 | 漢字四字 | 名詞・形容動詞として使う | 臨機応変、一石二鳥、四面楚歌 |
字面と意味のずれ
| 語句 | 字面 | 実際の意味 |
|---|---|---|
| 油を売る | 油を販売する | むだ話をして仕事を怠ける |
| 耳が痛い | 耳に痛みがある | 自分の欠点を指摘されてつらい |
| 急がば回れ | 急ぐなら回り道 | 急ぐときほど安全な方法を取れ |
| 四面楚歌 | 四方から楚の歌 | 周りが全部敵で孤立している |
字面から見当をつけると外れる語句です。だからこそ、入試で出ます。
覚え方の四点
| 点 | 内容 | 「四面楚歌」の場合 |
|---|---|---|
| 意味 | 一言で | 周りが全部敵で、味方がいない |
| 由来 | なぜその意味か | 楚の項羽が漢軍に囲まれ、四方から楚の歌が聞こえて味方の寝返りを知った故事 |
| 場面 | どんなときに使うか | 誰からも支持されず孤立したとき |
| 例文 | 短い文 | 提案に全員が反対し、四面楚歌の状態だった |
由来が分かると意味が定着し、場面と例文が分かると使えます。
例:慣用句を四点で
| 点 | 「油を売る」 |
|---|---|
| 意味 | 仕事を怠けてむだ話をする |
| 由来 | 江戸時代の油売りが、客と長話をしながら油を注いでいたことから |
| 場面 | 用事の途中で怠けている人を指すとき |
| 例文 | どこで油を売っていたのか、と母に叱られた |
例:ことわざを四点で
| 点 | 「急がば回れ」 |
|---|---|
| 意味 | 急ぐときほど、安全で確実な方法を選べ |
| 由来 | 琵琶湖を渡るのに、速い船より遠回りの陸路のほうが確実だったことから |
| 場面 | 近道をして失敗しそうな人に助言するとき |
| 例文 | 急がば回れで、基礎から復習した |
よくある間違い
字面で意味を決める
「耳が痛い」を耳の病気と読む人はいませんが、「気が置けない」を「油断できない」と読む誤りは非常に多いです。正しくは「遠慮がいらない」。字面で決めず、覚えます。
意味だけ覚えて場面と例文を覚えない
意味を知っていても、文脈に合うかどうかの判断や、空欄補充で使えなければ点になりません。
三つの種類を混同する
「〜と同じ種類の語句を選べ」という設問があります。形(句・文・四字)で区別します。
自分で確かめよう
確認1:慣用句・ことわざ・四字熟語の形の違い
慣用句は二語以上の組み合わせ、ことわざは一文で教訓、四字熟語は漢字四字。
確認2:「気が置けない」の正しい意味
遠慮がいらない、気楽に付き合える。「油断できない」ではありません。
確認3:語句を覚えるときの四点
意味、由来、場面、例文。
まとめと次の一歩
慣用句・ことわざ・四字熟語は、字面と意味がずれる決まり文句です。形で種類を見分け、意味・由来・場面・例文の四点で覚えます。
次のレッスンでは、文中で慣用句などに出会ったときの判断と、空欄補充で選ぶ手順を一行ずつ使えるようにします。
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