敬語と言葉遣いマスターチェック:会話・面接・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「敬語と言葉遣い」コースの出口です。一枚の表、統合した四段階、四つの大きな型を、入試形式の総合問題と模擬面接で一度に使います。
中心技能は、分類・書き換え・訂正・読み取り・作成・面接のどの型の設問が来ても、同じ手順で答えられることです。目安時間は15分です。
総合問題
問1(分類)
次の──線部の敬語の種類を、尊敬語・謙譲語・丁寧語から答えなさい。 ① 先生が①ご覧になった資料を、私は②拝見しました。 ② 在庫は③ございません。 ③ 校長先生が④いらっしゃいました。
問2(書き換え)
次の──線部を、生徒が先生に話す形に直しなさい。 ① 先生は昨日どこに①行きましたか。 ② 明日、先生の研究室に②行きます。 ③ 先生の本を③読みました。
問3(訂正と理由)
次の文の誤りを直し、理由を「二重敬語」「逆転」「過剰」「不足」から答えなさい。 ① お客様がおっしゃられたとおりです。 ② 私の父がそのようにおっしゃっていました。(面接で) ③ 先生が私に本を貸しました。 ④ 読ませていただきます。(自分で読むだけ)
問4(内と外)
他校から学校に電話があり、生徒が応対した。不適切な部分を直しなさい。 「山田先生は今、授業中でいらっしゃいます。終わったら、お電話するようにおっしゃっておきます。」
問5(会話文の読み取り)
次の会話から、AとBの関係と、Bの気持ちを言葉遣いを根拠に説明しなさい。 A「ねえ、昨日の件、どうなった?」 B「……ご心配いただき、ありがとうございます。無事に終わりましたので。」 A「え、なに、その言い方。怒ってる?」
問6(メール)
職場体験先の店長に、お礼のメールの件名と最初の三文を書きなさい。
問7(面接)
「本校を志望した理由を教えてください」に対する次の答えを直しなさい。 「えっと、自分は、御校の説明会に参加させていただいて、先生がおっしゃられた言葉がすごく印象に残ってて、ここで学ばさせていただきたいなって思ったからです。」
答えと判断
問1
①尊敬語(先生の動作)。②謙譲語(私の動作、先生の物)。③丁寧語(ないの丁寧な形)。④尊敬語(校長の動作)。
問2
①いらっしゃいましたか。②伺います(先生に向かう)。③拝読しました。
問3
①おっしゃったとおりです(二重敬語)。②父がそのように申しておりました(逆転:内の人を高めた)。③先生が私に本を貸してくださいました(不足:丁寧語止まり)。④読みます/拝読します(過剰:許可と無関係な「させていただく」)。
問4
「山田は今、授業中です(授業に出ております)。終わりましたら、お電話するように申し伝えます。」聞き手が他校なので山田先生は内:敬称を外し、「いらっしゃる」「おっしゃる」を使わない。
問5
関係:対等で親しい(Aは「ねえ」「どうなった?」と普通の形)。Bの気持ち:親しい相手に「ご心配いただき」「終わりましたので」と急に過剰な敬語を使っており、怒りか皮肉で距離を置いている。Aも「その言い方」と反応している。
問6
件名:職場体験のお礼(〇〇中学校 田中) 本文:〇〇書店 店長 〇〇様 お世話になっております。〇〇中学校二年の田中です。三日間の職場体験では、大変お世話になりました。
問7
「はい。私は、御校の説明会に参加し、先生がおっしゃった言葉がとても印象に残り、御校で学びたいと思ったからです。」「えっと」→「はい」、「自分」→「私」、「参加させていただいて」→「参加し」、「おっしゃられた」→「おっしゃった」、「すごく」→「とても」、「残ってて」→「残り」、「学ばさせていただきたいなって」→「学びたいと」。
誤答を診断する
| 誤答 | 大きな型 | 戻り先 |
|---|---|---|
| 問1②を尊敬語 | Ⅰ 向き | 尊敬語と謙譲語を見分けよう |
| 問2②で「参ります」 | Ⅰ 向き(向かう相手がある) | 謙譲語の基本 |
| 問3①を見逃した | Ⅱ 形(二重敬語) | 不自然な敬語 |
| 問4で「山田先生」を残した | Ⅰ 向き(内と外) | 内と外 |
| 問5でBを「礼儀正しい」 | 過剰を字義どおりに読んだ | 会話文から関係を読み取ろう |
| 問6で件名を「お礼」だけ | Ⅳ 組み立て | 電話・手紙・メール |
| 問7で「参加させていただいて」を残した | Ⅲ 段階(過剰) | 面接、場面に合う表現 |
コースで身についた技能の確認
| 技能 | 設問 | できたか |
|---|---|---|
| 敬語の分類 | 問1 | |
| 特別な形への書き換え | 問2 | |
| 誤りの訂正と理由 | 問3 | |
| 内と外 | 問4 | |
| 会話文の読み取り | 問5 | |
| メールの組み立て | 問6 | |
| 面接の受け答え | 問7 |
空欄の行の技能は、「不自然な表現を直す」の戻り先で練習します。
模擬面接の流れ
| 場面 | 言葉 |
|---|---|
| 入室 | 失礼します。〇〇中学校の田中と申します。よろしくお願いいたします。 |
| 志望理由 | はい。私は〜からです。(結論・理由・具体例・結び) |
| がんばったこと | はい。私が一番がんばったことは〜です。 |
| 長所・短所 | はい。私の長所は〜ところです。短所は〜ところですが、〜するよう心がけています。 |
| 質問 | 一つお聞きしてもよろしいでしょうか。〜は、〜でしょうか。 |
| 退室 | ありがとうございました。失礼します。 |
よくある間違い
七問を別々の知識だと思う
全部、動作主・聞き手・段階・型の四つで解けます。手順は一つ。
面接の答えを暗記で済ませる
質問の種類を聞き分けてから、材料を基本形に当てはめます。
会話文の敬語を「丁寧」としか読まない
場面に合わない敬語は、皮肉や怒りです。
自分で説明しよう
確認1:このコースの統合した四段階
四つの問いで段階、用件の形、動詞ごとに動作主と内外、四つの観点で点検。
確認2:他校からの電話で自校の先生をどう扱いますか
内(敬称なし、高めない:山田は授業中です)。
確認3:面接の答えの基本形
結論・理由・具体例・結び。「はい」で始める。
コースの出口
分類・書き換え・訂正・内と外・会話文の読み取り・メール・面接の七問に、一つの手順で答えられたら、このコースは完了です。
次のコース「抽象・具体と根拠」では、論説文の読み取りに戻り、抽象と具体の往復と根拠の評価を深めます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。