内と外を意識した言葉遣い:動作主と向きで選ぶ
このレッスンの役割
前のレッスンで、内と外の原則を知りました。ここでは、聞き手と話題の人物の組み合わせから、呼び方と敬語を決める手順を一つに決めます。電話の取り次ぎや、他校との連絡で、この手順が必要になります。
今回の中心技能は、「聞き手のグループを決める → 話題の人物が内か外かを判定する → 内なら敬称を外し高めない → 外なら敬称を付け高める」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
(学校に他校から電話。生徒が応対)「山田先生はいらっしゃいますか」と聞かれた。山田先生は今、外出している。
手順で答えます。聞き手:他校の人(外)。話題の人物:山田先生(自校 → 内)。内なので:敬称を外し「山田」、動作を高めず「外出しております」。「山田は、ただいま外出しております。」
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 聞き手のグループを決める | 他校の人 → 外 |
| 2 | 話題の人物が内か外かを判定する | 山田先生は自校 → 内 |
| 3 | 内なら敬称を外し、動作を高めない | 山田、外出しております |
| 4 | 外なら敬称を付け、動作を高める | (該当なし) |
段階1:聞き手のグループ
| 聞き手 | グループ |
|---|---|
| 自校の先生・生徒 | 内 |
| 他校の先生・生徒 | 外 |
| 面接官、お客様、取引先 | 外 |
| 家族 | 内(家庭内では家族同士が内) |
| 自校の先生(話題が自分の家族のとき) | 家族から見て外 |
段階2:判定表
| 聞き手 | 話題の人物 | 判定 |
|---|---|---|
| 外 | 自校の人、家族 | 内 |
| 外 | 聞き手の学校の人、聞き手の家族 | 外 |
| 内(自校の先生) | 自校の校長・他の先生 | 外(目上として高める) |
| 内(自校の先生) | 自分の家族 | 内 |
| 内(家族) | 家族 | 家庭内では外として扱ってもよい |
段階3と4:形の対応
| 判定 | 呼び方 | 動作 | 物 |
|---|---|---|---|
| 内 | 山田、父、校長、本校 | 申す、参る、おる、いたす | 父の意見 |
| 外 | 山田先生、お父様、校長先生、御校 | おっしゃる、いらっしゃる、なさる | 先生のご意見 |
例題:電話の取り次ぎ
(他校の先生から自校の生徒へ)「鈴木先生に、明日の件でお電話したとお伝えください。」
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 聞き手(話し手から見て):他校の先生 → 外 |
| 2 | 鈴木先生:自校 → 内 |
| 3 | 鈴木、伝えます(申し伝えます) |
| 4 | 相手の動作「お電話した」はそのまま受けて「お電話をいただいた」 |
返答:「承知しました。鈴木に、明日の件でお電話をいただいたと申し伝えます。」
例題:面接で家族と学校
(面接官に)母が、「〇〇先生に相談しなさい」と言ったので、相談した。
| 人物 | 判定 | 形 |
|---|---|---|
| 母 | 内 | 母が「〜」と申しましたので |
| 〇〇先生(自校) | 内 | 担任の〇〇に相談しました |
「母が、担任に相談するようにと申しましたので、相談しました。」自校の先生も面接官から見れば内です。
「先生」と呼ぶときの例外
面接で自校の先生を「担任の先生」と言うのは、職名としての「先生」で許容されます。ただし「〇〇先生がおっしゃった」と動作まで高めるのは誤り。「担任の先生が言っていました」「担任が申しておりました」。
よくある間違い
段階1を飛ばして、話題の人物の身分だけで決める
校長は目上ですが、聞き手が外なら内です。
電話で自校の先生に敬称を付ける
「山田先生はいらっしゃいません」は誤り。「山田は外出しております」。
相手の動作まで低める
相手の「お電話した」は、受けるときは「お電話をいただいた」。相手の動作は外として高めます。
自分で確かめよう
確認1:他校からの電話で「山田先生はいますか」への答え(山田先生は外出中)
「山田は、ただいま外出しております。」
確認2:面接官に自校の担任の動作を言うときの形
「担任が申しておりました」(または「担任の先生が言っていました」)。
確認3:聞き手が自校の先生のとき、自校の校長は内と外のどちらですか
外(目上として高める:校長先生がいらっしゃる)。
まとめと次の一歩
手順は、聞き手のグループ、話題の人物の内外、内なら敬称なし・高めない、外なら敬称あり・高める、の四段階です。電話の取り次ぎと面接で、自校の人と家族は内になります。
次のレッスンでは、内と外でよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。