依頼・質問・断り方:動作主と向きで選ぶ
このレッスンの役割
前のレッスンで、二部構成と定型を知りました。ここでは、場面から依頼・質問・断りの文を組み立てる手順を一つに決めます。相手と用件の重さで丁寧さの段階を選ぶのが要点です。
今回の中心技能は、「用件の種類を決める → 相手と負担から丁寧さの段階を選ぶ → 前置きと本文を組み立てる → 断りなら代案・依頼なら期限を添える」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
先生に、推薦書を来週の金曜までに書いてもらいたい。
手順で組み立てます。種類:依頼。相手と負担:目上、負担が大きい → より丁寧。前置き+本文:「お忙しいところ恐れ入りますが、推薦書を書いていただけないでしょうか。」期限:「来週の金曜日までにお願いできますでしょうか。」全体:「先生、お忙しいところ恐れ入りますが、推薦書を書いていただけないでしょうか。来週の金曜日までにお願いできますと助かります。」
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 用件の種類を決める | 依頼 |
| 2 | 相手と負担から丁寧さの段階を選ぶ | 目上・大 → していただけないでしょうか |
| 3 | 前置きと本文を組み立てる | お忙しいところ恐れ入りますが+書いていただけないでしょうか |
| 4 | 断りなら代案、依頼なら期限を添える | 来週の金曜日までに |
段階2:丁寧さの段階表
| 相手 | 負担 | 依頼の形 |
|---|---|---|
| 友人 | 小 | 〜して、〜してくれる? |
| 友人 | 大 | 〜してくれない?悪いんだけど |
| 先生 | 小 | 〜していただけますか |
| 先生 | 大 | 〜していただけないでしょうか |
| 初対面・外部 | 小 | 〜していただけますでしょうか |
| 初対面・外部 | 大 | 〜していただけますと幸いです(書き言葉) |
「相手が目上」と「負担が大きい」の二軸で決めます。
段階3:前置きの選び方
| 用件 | 前置き |
|---|---|
| 依頼(時間をもらう) | お忙しいところ恐れ入りますが |
| 依頼(手間をかける) | お手数をおかけしますが |
| 質問 | 一つお聞きしてもよろしいでしょうか/恐れ入りますが |
| 断り | 申し訳ありませんが/せっかくのお話ですが |
| 相手に選択を残す | もしよろしければ |
段階4:補いの形
| 用件 | 補い | 例 |
|---|---|---|
| 依頼 | 期限、理由 | 来週の金曜日までに/出願に必要なため |
| 質問 | 聞きたい理由 | 準備のために確認したく |
| 断り | 代案、理由 | 別の日であれば/その日は家の用事があり |
補いがあると、相手は判断しやすくなります。
例題:質問
先生に、提出物の書き方が分からないので聞きたい。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 質問 |
| 2 | 目上・小 → 〜でしょうか |
| 3 | 恐れ入りますが+提出物の書き方について教えていただけますでしょうか |
| 4 | 理由:明日までに仕上げたいので |
「先生、恐れ入りますが、提出物の書き方について教えていただけますでしょうか。明日までに仕上げたいので、お時間のあるときにお願いします。」
例題:断り
先輩から、土曜の練習の手伝いを頼まれたが、家の用事で行けない。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 断り |
| 2 | 目上(先輩)・中 → 申し訳ありませんが |
| 3 | 申し訳ありませんが+土曜は家の用事があって手伝えません |
| 4 | 代案:日曜なら手伝えます |
「申し訳ありませんが、土曜は家の用事があって手伝えません。日曜でしたら手伝えます。」
よくある間違い
段階2で負担を見ずに相手だけで決める
先生への小さな依頼に「していただけないでしょうか」は重すぎることがあります。
段階3で前置きを二つ三つ重ねる
「お忙しいところ恐れ入りますが、お手数をおかけしますが、もしよろしければ…」は本文が遠くなります。一つで十分。
段階4を省いて相手に判断を任せる
期限や代案がないと、相手は「いつまでに?」「じゃあいつなら?」と聞き返すことになります。
自分で確かめよう
確認1:「先生に明日の放課後、相談の時間をもらいたい」を四段階で
依頼 → 目上・小 → していただけますか → お忙しいところ恐れ入りますが、明日の放課後、進路のことでお時間をいただけますか → 期限:明日の放課後。
確認2:丁寧さの段階を決める二つの軸
相手(目上か)と負担(大きいか)。
確認3:断りに添える補い
代案(別の日であれば)、理由。
まとめと次の一歩
手順は、用件の種類、相手と負担で丁寧さ、前置き+本文、補い(期限・代案)、の四段階です。前置きは一つ、本文は明確に、補いで相手の判断を助けます。
次のレッスンでは、依頼・質問・断りでよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。