LESSON 01

不自然な敬語を直そう

不自然な敬語を直そう:会話・面接・入試で使う

誤りの指摘と理由の説明、複数の誤りを含む文の全面修正、掲示文・案内文の点検、面接の受け答えの点検を入試形式で解き、四つの観点による点検を本番で使える形にまとめます。

不自然な敬語を直そう:会話・面接・入試で使う

このレッスンの役割

ここは「不自然な敬語を直そう」の出口です。四つの観点、四段階の点検手順、見落としやすい四つの型を、会話・面接・入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、誤りを指摘して観点で理由を説明し、複数の誤りを含む文を全面修正し、掲示文と面接の受け答えを点検することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

不自然な敬語は、三つの形で出ます。

  1. 指摘と理由:「──線部の敬語の誤りを直し、その理由を説明せよ」
  2. 全面修正:「次の文には敬語の誤りが三か所ある。正しく直せ」
  3. 選択:「次のうち、敬語の使い方が正しいものを選べ」

総合問題

問1

次の──線部を直し、その理由を「二重敬語」「逆転」「過剰」「不足」のどれかで答えなさい。 ① 先生が①おっしゃられたことをメモしました。 ② 私が先生の作品を②ご覧になりました。 ③ 先生は昨日、職員室に③いましたか。 ④ 資料を④お持ちしてまいります。

問2

次の文には敬語の誤りが三か所ある。正しく直しなさい。(生徒が、他校の先生に自校の校長について話す場面) 「うちの校長先生がおっしゃっていましたが、来月の交流会には校長先生もいらっしゃられるそうです。私も参加させていただきたいと思っております。」

問3

次のうち、敬語の使い方が正しいものを一つ選びなさい。 ア お客様、こちらでお待ちしてください。 イ 先生のお話を伺い、大変参考になりました。 ウ 父がそのようにおっしゃっていました。 エ 詳しくは係にお聞きしてください。

問4

面接の受け答えを点検し、誤りを直しなさい。 「はい、私は御校の体験入学に参加させていただいた際、先生がお話しになられた『自ら学ぶ』という言葉に感銘を受けさせていただきました。母も御校のことをよくご存じで、勧めてくださいました。」

答えと判断

問1

①おっしゃった(二重敬語)。②拝見しました(逆転:自分の動作に尊敬語)。③いらっしゃいましたか(不足:丁寧語止まり)。④お持ちします(過剰:謙譲語の重ね)。

問2

「校長が申しておりましたが、来月の交流会には校長も参るそうです。私も参加したいと思っております。」①「校長先生がおっしゃって」→ 聞き手が他校の先生なので自校の校長は自分側(申して)。②「いらっしゃられる」→ 二重敬語かつ逆転(参る)。③「参加させていただきたい」→ 許可の場面と言えなくはないが、ここでは「参加したい」で十分(過剰)。なお「校長先生」→「校長」と呼ぶのも内と外の原則。

問3

イ。アは「お待ちください」(逆転・混在)。ウは父が自分側なので「申して」(逆転)。エは「お聞きください」または「お尋ねください」(逆転・混在)。

問4

「はい、私は御校の体験入学に参加した際、先生がお話しになった『自ら学ぶ』という言葉に感銘を受けました。母も御校のことをよく知っており、勧めてくれました。」「参加させていただいた」→ 許容されるが「参加した」で足りる。「お話しになられた」→ 二重敬語。「受けさせていただきました」→ 過剰(感銘を受けるのに許可は不要)。「母がご存じで、勧めてくださいました」→ 母は自分側なので逆転(知っており、勧めてくれました)。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1③を誤りなしと判断 不足を見落とした 動作主と向きで選ぶ(段階1)
問2で「校長先生がおっしゃって」を残した 身内への敬語 不自然な表現を直す(型③)
問3でウ 自分の家族を高めた 人物関係と働きをつかむ(観点②)
問4で「受けさせていただきました」を残した させていただくの乱用 不自然な表現を直す(型①)

点検の表(問4)

語 観点 直し
参加させていただいた 過剰(許容範囲) 参加した
お話しになられた 二重敬語 お話しになった
受けさせていただきました 過剰 受けました
母がご存じで 逆転(身内) 母が知っており
勧めてくださいました 逆転(身内) 勧めてくれました

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
四つの観点で理由を言えるか 二重・逆転・過剰・不足
丁寧語止まりの目上の動作を見落としていないか いましたか
聞き手が外の人なら自校・家族は自分側にしたか 校長、母
「させていただく」は許可の動作だけか 受けさせて は不要
「お〜してください」を直したか お〜ください

よくある間違い

誤りの数を数えずに一つ直して終える

「三か所ある」なら三つ見つけるまで点検します。

「させていただく」を全部誤りにする

許可のある動作(参加させていただく)は許容です。明らかに無関係なもの(受けさせていただく)を直します。

面接で母の動作を「くださいました」と言う

母は自分側です。「くれました」。

自分で説明しよう

確認1:敬語の誤りを理由とともに説明する四つの観点

二重敬語、逆転、過剰、不足。

確認2:他校の先生に自校の校長の動作を言うときの扱い

自分側(校長が申す、参る)。「先生」も付けない。

確認3:「感銘を受けさせていただきました」の直し方と理由

「感銘を受けました」。許可と無関係な動作への「させていただく」は過剰。

セクションの出口

誤りを四つの観点で説明し、複数の誤りを取りこぼさずに全面修正し、掲示文と面接の受け答えを点検できたら完了です。

次のセクション「内と外を意識した言葉遣い」では、家族・学校・会社の「自分側」と「相手側」の線引きと、呼び方の変え方を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:敬語の点検を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「私が先生の作品をご覧になりました」の直し方と観点はどれですか。
  2. 設問 1
    「先生は昨日、職員室にいましたか」の直し方と観点はどれですか。
  3. 設問 2
    次のうち、敬語の使い方が正しいものはどれですか。
  4. 設問 3
    面接で「母も御校のことをよくご存じで、勧めてくださいました」の誤りはどれですか。
  5. 設問 4
    「感銘を受けさせていただきました」の観点と直し方はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。