特別な形の敬語:会話・面接・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「特別な形の敬語」の出口です。五つのグループ、四段階の手順、誤りの四つの型を、会話・面接・入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、動詞を特別な形に書き換え、「伺う」「いらっしゃる」の意味を文脈で判定し、重ねと取り違えを直し、面接の自己紹介で特別な形を使うことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
特別な形は、三つの形で出ます。
- 書き換え:「──線部を特別な形の敬語に直せ」
- 意味の判定:「──線部『伺う』は、行く・聞く・尋ねるのどの意味か」
- 訂正:「次の文の敬語の誤りを直せ」(重ね、取り違え)
総合問題
問1
次の──線部を、特別な形の敬語に直しなさい。(生徒が先生に話す場面) ① 先生は昨日どこに①行きましたか。 ② 私は先生のお話を②聞きたいです。 ③ 先生の③作品を見ました。 ④ 私は田中と④言います。 ⑤ 先生は私の名前を⑤知っていますか。
問2
次の──線部「伺う」「いらっしゃる」の意味を答えなさい。 ① 明日、先生のお宅に伺います。 ② 先生に一つ伺いたいことがあります。 ③ 先生は今、職員室にいらっしゃいます。 ④ 先生は来週、東京にいらっしゃいます。
問3
次の文の誤りを直しなさい。 ① 校長先生がおっしゃられたとおりです。 ② 先生のことはよく存じています。 ③ 先生の講演を拝見しました。
問4
面接の冒頭で、次のように自己紹介した。敬語の誤りを直しなさい。 「私は〇〇中学校から来た田中と言います。本日はお時間をもらい、ありがとうございます。面接官の方々のお名前は、事前に知っています。」
答えと判断
問1
①いらっしゃいましたか。②伺いたい(拝聴したい も可)。③拝見しました。④申します。⑤ご存じですか。
問2
①行く(先生のお宅へ)。②尋ねる(聞く も可)。③いる(職員室に)。④行く(東京へ)。
問3
①「おっしゃったとおりです」(重ね)。②「存じ上げています」(人には存じ上げる)。③「拝聴しました」または「伺いました」(講演は聞くもの)。
問4
「私は〇〇中学校から参りました田中と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。面接官の方々のお名前は、事前に存じ上げています。」「来た」→「参りました」、「言います」→「申します」、「もらい」→「いただき」、「知っています」→「存じ上げています」。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1③で「伺いました」 | グループ違い | 不自然な表現を直す(型①) |
| 問2④で「来る」 | 文脈(東京に)を見ていない | 動作主と向きで選ぶ(段階4) |
| 問3②を「存じています」のまま | 似た語の取り違え | 不自然な表現を直す(型③) |
| 問4で「来た田中」のまま | 特別な形を使っていない | 人物関係と働きをつかむ |
自己紹介の定型
| 普通 | 特別な形 |
|---|---|
| 〇〇中学校から来た | 〇〇中学校から参りました |
| 田中と言います | 田中と申します |
| 時間をもらい | お時間をいただき |
| よろしくお願いします | よろしくお願いいたします |
| 知っています(人を) | 存じ上げています |
面接の最初の一分で、特別な形が四つ使えれば、言葉遣いの評価は安定します。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 動詞のグループは合っているか | 作品は見る、講演は聞く |
| 「伺う」「いらっしゃる」の意味は文脈で決めたか | お宅に、職員室に、東京に |
| 特別な形に「られる」を重ねていないか | おっしゃられた |
| 人には「存じ上げる」か | 先生のことは |
| 自己紹介の四つを特別な形にしたか | 参る、申す、いただく、存じ上げる |
よくある間違い
「伺う」を「来る」の意味で使う
「伺う」は行く・聞く・尋ねる。「来る」の謙譲語は「参る」。
「いらっしゃる」の意味を「来る」に固定する
「職員室にいらっしゃる」は「いる」。文脈で決めます。
自己紹介で「来た」「言います」のまま話す
面接の最初で特別な形を使わないと、その後の敬語も軽く見えます。
自分で説明しよう
確認1:「いらっしゃる」の意味を決めるもの
文脈(〜に行く、〜に来る、〜にいる)。
確認2:自己紹介で使う特別な形を四つ
参りました、申します、いただき、存じ上げています。
確認3:「講演を拝見しました」の直し方と理由
「拝聴しました/伺いました」。講演は聞くもので、「拝見」は見るの謙譲語。
セクションの出口
動詞を特別な形に書き換え、「伺う」「いらっしゃる」の意味を文脈で判定し、重ねと取り違えを直し、面接の自己紹介で特別な形を四つ使えたら完了です。
次のセクション「『お・ご〜になる/する』」では、特別な形がない動詞に使う規則的な敬語と、「お・ご」の付け方の決まりを扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。