LESSON 01

尊敬語と謙譲語を見分けよう

尊敬語と謙譲語を見分けよう:動作主と向きで選ぶ

文中の動詞を全部取り出す、動詞ごとに動作主を書く、動作主が相手側なら尊敬語・自分側なら向きを見て謙譲語か丁寧語、対の表から形を選ぶという四段階で、複数の動作が混ざる文の敬語を決める手順を一行ずつ使います。

尊敬語と謙譲語を見分けよう:動作主と向きで選ぶ

このレッスンの役割

前のレッスンで、動作主で尊敬語と謙譲語を見分けることを知りました。ここでは、一つの文に複数の動作があるとき、動詞ごとに向きを決めて形を選ぶ手順を一つに決めます。「先生が〜して、私が〜する」のような文は、この手順で崩れません。

今回の中心技能は、「動詞を全部取り出す → 動詞ごとに動作主を書く → 相手側なら尊敬語、自分側なら向きを見て謙譲語か丁寧語 → 対の表から形を選ぶ」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

(生徒が先生に)先生が言ったことを、私が書いて、明日先生に見せます。

動詞:言う、書く、見せる。動作主:先生、私、私。向き:言う=相手側 → 尊敬語。書く=自分側、向かう相手なし → 丁寧語。見せる=自分側、先生に向かう → 謙譲語。形:おっしゃった、書いて、お見せします。「先生がおっしゃったことを、私が書いて、明日先生にお見せします。」

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 動詞を全部取り出す 言う、書く、見せる
2 動詞ごとに動作主を書く 先生、私、私
3 相手側→尊敬語/自分側→向きを見て謙譲語か丁寧語 相手↑、丁寧、自分↓
4 対の表から形を選ぶ おっしゃった、書いて、お見せします

段階2:動作主の見つけ方

手掛かり 例
「〜が」「〜は」 先生が言った → 先生
省略された主語 (私が)書いて → 文脈から私
「〜てくださる」 動作主は相手(先生が教えてくださる)
「〜ていただく」 動作をするのは相手、もらうのは私(私が教えていただく)
「〜に」の人 動作主ではない(先生に見せる → 動作主は私)

段階3:判定表

動作主 向かう相手 判定
相手側 ― 尊敬語
自分側 目上 謙譲語
自分側 なし 丁寧語(参る・申す・いたす・おる は可)
物・事 ― 丁寧語

段階4:形の選び方

判定 特別な形があれば なければ
尊敬語 おっしゃる、いらっしゃる、ご覧になる… お〜になる、れる/られる
謙譲語 申し上げる、伺う、拝見する… お〜する、〜ていただく

例題:四つの動作

(生徒が校長に)昨日、先生が私に電話をくれて、文化祭の準備を手伝うように頼みました。私はすぐに行って、先生と一緒に会場を見ました。

動詞 動作主 向き 判定 形
くれる 先生 ― 尊敬語 くださって
頼む 先生 ― 尊敬語 お頼みになりました/頼まれました
行く 私 先生のところ 謙譲語 伺って
見る 私 会場(先生と一緒に) 謙譲語(拝見)か丁寧語 見ました/拝見しました

「見る」の対象が会場(先生の物ではない)なら「見ました」でも足ります。「先生と一緒に拝見しました」も自然です。

主語の交代に注意

文 動作主の交代
先生がおっしゃったことを私が書く 先生 → 私
私が伺ったとき、先生はいらっしゃらなかった 私 → 先生

文の途中で動作主が変わります。段階2で動詞ごとに書くのは、交代を見落とさないためです。

よくある間違い

段階1で動詞を一つ見落とす

「〜て」でつながる動詞は全部取り出します。

段階2で文の最初の主語を全部に当てる

「先生が言ったことを私が書く」は、動作主が途中で変わります。

段階3で自分側の動作を全部謙譲語にする

向かう相手のない「書く」は丁寧語で足ります。

自分で確かめよう

確認1:「先生がくれた本を私が読む」を四段階で(聞き手は先生)

くれる、読む → 先生、私 → 尊敬語、謙譲語(先生の本)→ くださった、拝読します。

確認2:「〜ていただく」の動作をするのは誰ですか

相手(もらうのが私)。

確認3:自分側の動作で、謙譲語にしなくてよいのはどんなときですか

向かう相手がないとき(丁寧語で足りる)。

まとめと次の一歩

手順は、動詞を全部取り出す、動作主を書く、相手側か自分側かと向きで判定、対の表から形を選ぶ、の四段階です。動作主は文の途中で交代するので、動詞ごとに確かめます。

次のレッスンでは、尊敬語と謙譲語の取り違えでよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:動詞ごとに向きを決める

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    複数の動作が混ざる文の敬語を決める四段階の段階1はどれですか。
  2. 設問 1
    (生徒が先生に)「先生が言ったことを、私が書いて、明日先生に見せます」の正しい形はどれですか。
  3. 設問 2
    「〜ていただく」で、動作をする人ともらう人はそれぞれ誰ですか。
  4. 設問 3
    自分側の動作で、謙譲語にせず丁寧語だけで足りるのはどんなときですか。
  5. 設問 4
    「先生がくださった本を、私が拝読した」で、動作主の交代はどこで起きますか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。