丁寧語の基本:不自然な表現を直す
このレッスンの役割
丁寧語の誤りは、形そのものの誤り、丁寧語で止まって尊敬・謙譲がない、丁寧にしすぎる、文の中で丁寧さがそろわない、の四つに分けられます。ここでは、それぞれを型に分け、直します。
今回の中心技能は、不自然な丁寧語を見て四つの型のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
(生徒が先生に)「先生、明日の集合時間は九時でよかったですか? 私は八時半に来るです。」
二か所が不自然です。「よかったですか」は確認の意味なら「よろしいでしょうか」。「来るです」は動詞に「です」を付けた形の誤りで、「来ます」。「先生、明日の集合時間は九時でよろしいでしょうか。私は八時半に来ます。」
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 形の誤り | 動詞に「です」、形容詞の過去の誤り | 行くです、高いでした | 変換表で正しい形に |
| ② 丁寧語止まり | 目上の動作に「ます」だけ | 先生が言いました | 段階4で尊敬・謙譲を足す |
| ③ 過剰 | 「ございます」「お」の付けすぎ | お机、おビール、生徒が先生に「〜でございます」連発 | 場面と語に合わせて減らす |
| ④ 丁寧さの不統一 | 文の途中は丁寧、文末は普通 | 「お茶を飲みまして、帰った」 | 文末までそろえる |
型①を直す:形の表
| 誤り | 正しい形 | 理由 |
|---|---|---|
| 行くです | 行きます | 動詞は「ます」 |
| 高いでした | 高かったです | 形容詞の過去は「かった+です」 |
| 食べれます | 食べられます | 「ら抜き」は丁寧語とは別の誤り |
| 〜ないです | 〜ません(〜ないです も可) | 改まった場面では「ません」 |
型②を直す:段階4
| 丁寧語止まり | 動作主 | 直し |
|---|---|---|
| 先生が言いました | 先生 | 先生がおっしゃいました |
| 先生が来ます | 先生 | 先生がいらっしゃいます |
| 私が先生に聞きます | 私→先生 | 私が先生に伺います |
丁寧語は「聞き手→丁寧」だけです。相手↑と自分↓は別に要ります。
型③を直す:過剰の見分け
| 語 | 「お・ご」 | 判断 |
|---|---|---|
| 茶、金、飯、菓子 | 付く(美化語) | ○ |
| 机、学校、ビール、コーヒー | 付かない | × |
| 名前、住所、意見(相手の) | 付く(尊敬) | ○ |
| 自分の名前、自分の意見 | 付かない | ×(お名前は相手のみ) |
「ございます」は、店・式典・電話の応対で。生徒が先生に話すときは「です・ます」で足ります。
型④を直す:文末までそろえる
| 不統一 | 直し |
|---|---|
| お茶を飲みまして、帰った | お茶を飲んで、帰りました |
| 先生がいらっしゃって、話した | 先生がいらっしゃって、お話しになりました |
丁寧さは文末で決まります。途中だけ丁寧でも、文末が普通なら普通の文です。
例題:どの型か
(面接で)「私の長所は、明るいでした。」
型①。「明るいことです」または「明るいところです」。形容詞を名詞にして「です」。
(生徒が先生に)「先生のご説明は分かりやすくてございます。」
型③。「分かりやすかったです」。「〜くてございます」は不自然。
よくある間違い
「です」を何にでも付ける
動詞には「ます」。形容詞の過去は「かったです」。
「お」を付けると上品になると思う
付かない語に付けると不自然です(お机、おビール)。
文の途中の「まして」で丁寧になったと思う
文末が「帰った」なら普通の文です。文末を直します。
自分で確かめよう
確認1:「来るです」の誤りの型と直し方
型①(形の誤り)。動詞には「ます」で「来ます」。
確認2:「先生が言いました」の誤りの型と直し方
型②(丁寧語止まり)。「先生がおっしゃいました」。
確認3:「お机」「おビール」が不自然な理由
「お」が付かない語に付けた過剰(型③)。
まとめと次の一歩
誤りは、形の誤り、丁寧語止まり、過剰、丁寧さの不統一、の四つに分けられます。変換表、段階4、場面と語の判断、文末の統一、で直せます。
次のレッスンでは、会話・面接・入試形式の問題で、丁寧語の判断を通して使います。
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