LESSON 01

会話文から関係を読み取ろう

会話文から関係を読み取ろう:会話・面接・入試で使う

会話文の人物関係の選択、言葉遣いから読める心情の記述、言葉の変化とその理由の説明、小説の一節の読み取りを入試形式で解き、会話文からの読み取りを本番で使える形にまとめます。

会話文から関係を読み取ろう:会話・面接・入試で使う

このレッスンの役割

ここは「会話文から関係を読み取ろう」の出口です。三つの読み取り、手掛かりの表、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の会話文・小説の問題で通して使います。

中心技能は、人物関係を根拠つきで選び、言葉遣いから心情を記述し、言葉の変化の理由を説明することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

会話文の読み取りは、三つの形で出ます。

  1. 関係の選択:「AとBの関係として最も適切なものを選べ」
  2. 心情の記述:「──線部の言い方から分かるAの気持ちを説明せよ」
  3. 変化の説明:「Bの言葉遣いが変わった理由を説明せよ」

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

放課後の職員室。美咲は、提出が遅れたレポートを持って担任の前に立っていた。 「①先生、遅くなってすみませんでした。これ、レポートです。」 「②うん、受け取るよ。でもね、美咲。期限を守るっていうのは、相手との約束を守るってことなんだ。」 「③……はい。分かってます。」 「④分かってるなら、いい。次からは頼むよ。」 美咲は小さくうなずいた。職員室を出るとき、廊下で待っていた友人の沙耶が駆け寄ってきた。 「⑤どうだった? 怒られた?」 「⑥……別に。ちゃんと出したし。」 「⑦なにそれ。心配して待ってたのに、その言い方。」 「⑧……ごめん。ありがと、待っててくれて。」

問1

美咲と担任の関係として、言葉遣いを根拠に最も適切なものを選びなさい。 ア 対等で親しい イ 生徒と教師で、教師は厳しく叱責している ウ 生徒と教師で、教師は諭しつつも穏やかである エ 生徒と教師で、よそよそしい

問2

⑥「別に。ちゃんと出したし。」から分かる美咲の気持ちを、言葉遣いを根拠に説明しなさい。

問3

⑥から⑧で美咲の言葉遣いが変わった理由を説明しなさい。

問4

②④の担任の言葉遣いから読み取れる、担任の美咲への態度を説明しなさい。

答えと判断

問1

ウ。美咲は「先生」「すみませんでした」「です」「はい」と丁寧語で話し(生徒と教師)、担任は「うん」「〜なんだ」「頼むよ」と普通の形で、命令形ではなく「頼むよ」と依頼の形。叱責(イ)やよそよそしさ(エ)ではなく、諭しつつ穏やか。

問2

心配してくれた沙耶に対して、「別に」「〜し」と突き放すような短い言い方をしており、叱られた直後で気まずく、素直になれずにいらだちを向けている。

問3

⑦で沙耶に「心配して待ってたのに、その言い方」と指摘され、自分の態度が友人を傷つけたことに気づいたから。「ごめん」「ありがと」と謝罪と感謝に変わっている。

問4

「〜なんだ」と理由を説明し、「分かってるなら、いい」と受け入れ、「頼むよ」と命令ではなく依頼の形で結んでいることから、叱るのではなく諭し、美咲を信頼して任せる態度。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でイ 内容(遅れた)から想像し、言葉(頼むよ)を見ていない 不自然な表現を直す(型①)
問2で「平気だった」 「別に」「〜し」の突き放しを字義どおりに読んだ 動作主と向きで選ぶ(段階4)
問3で理由を書かない 変化の直前の出来事(⑦)を見ていない 不自然な表現を直す(型③)
問4で「厳しい」 「頼むよ」の依頼の形を命令と読んだ 人物関係と働きをつかむ

読み取りの表

発話 印 立場 距離 態度
①③ 先生、すみませんでした、です、はい 美咲が下 中(丁寧語) 恐縮
②④ うん、〜なんだ、頼むよ 担任が上 近い(普通の形) 諭す、穏やか
⑤⑦ どうだった、なにそれ、〜のに 対等 近い 心配 → 不満
⑥ 別に、〜し 対等 近いのに突き放す 気まずさ、いらだち
⑧ ごめん、ありがと 対等 近い 謝罪、感謝

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
関係の根拠を言葉から引いたか 先生、頼むよ、別に
命令形と依頼の形を区別したか 頼むよ(依頼)
短い突き放しの言葉を態度として読んだか 別に、〜し
変化の直前の出来事を理由にしたか ⑦の指摘
立場・距離・態度の三つを答えに入れたか 生徒と教師、穏やか、信頼

よくある間違い

「叱られた」場面だから「厳しい」と読む

担任の言葉は「頼むよ」です。言葉から態度を読みます。

「別に」を「気にしていない」と読む

親しい相手への短い突き放しは、気まずさやいらだちです。

変化の理由を「反省したから」で済ませる

「何によって」反省したかを、直前の発話(⑦)から答えます。

自分で説明しよう

確認1:会話文から関係を読む四段階

呼称と敬語に印、向きと呼称で立場、文末で距離、変化で態度。

確認2:「頼むよ」と「やれ」の違いが表すもの

依頼(穏やか、信頼)と命令(厳しい)。

確認3:言葉遣いの変化の理由を答えるとき、どこを見ますか

変化の直前の相手の発話や出来事。

セクションの出口

会話文から関係を言葉を根拠に選び、短い言い方から心情を読み、言葉の変化の理由を直前の出来事から説明できたら完了です。

次のセクション「場面に合う表現を選ぼう」では、同じ内容を友人・先生・初対面の相手に伝えるときの表現の違いを、一つの表で整理します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:会話文の読み取りを入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    生徒が「先生、すみませんでした」、担任が「うん、受け取るよ。〜頼むよ」と話す関係の読みはどれですか。
  2. 設問 1
    心配して待っていた友人に「別に。ちゃんと出したし」と言う気持ちの読みはどれですか。
  3. 設問 2
    「別に」から「ごめん。ありがと」へ変わった理由を答えるときに見るものはどれですか。
  4. 設問 3
    「頼むよ」と「やれ」の違いが表す態度はどれですか。
  5. 設問 4
    「二人の関係」を答えるときに含めるべき三つはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。