尊敬語と謙譲語を見分けよう:人物関係と働きをつかむ
このレッスンの役割
尊敬語と謙譲語は、見た目が似ている語(いらっしゃる/伺う、ご覧になる/拝見する)が多く、入試の分類問題で最も間違えやすい部分です。ここでは、動作ごとに向きを決める見分け方と、対で覚える表をつかみます。
今回の中心技能は、文中の敬語が「相手↑」か「自分↓」かを、動作主と向きから即座に判定できることです。目安時間は8分です。
今日の問い
先生がいらっしゃったので、私が玄関まで伺いました。
「いらっしゃった」の動作主は先生 → 相手↑(尊敬語)。「伺いました」の動作主は私、先生のところへ向かう → 自分↓(謙譲語)。同じ「行く・来る」でも、動作主で形が分かれます。
見分けの二つの問い
| 問い | 答え | 敬語 |
|---|---|---|
| 動作主は誰か | 相手側 | 尊敬語(相手↑) |
| 動作主は誰か | 自分側 | 謙譲語(自分↓)か丁寧語 |
| (自分側のとき)動作は目上に向かうか | 向かう | 謙譲語 |
| (自分側のとき)動作は目上に向かうか | 向かわない | 丁寧語のみ(参る・申すなど改まりの形も可) |
一つ目の問いだけで、尊敬語か謙譲語かは決まります。二つ目は、謙譲語を使えるかの確認です。
対で覚える表
| 普通 | 尊敬語(相手↑) | 謙譲語(自分↓) |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す、申し上げる |
| 行く・来る | いらっしゃる、おいでになる | 伺う、参る |
| いる | いらっしゃる | おる |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 聞く | お聞きになる | 伺う、拝聴する |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| する | なさる | いたす |
| 知っている | ご存じだ | 存じている、存じ上げている |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
| 与える | くださる | 差し上げる |
| もらう | お受け取りになる | いただく |
| 読む | お読みになる | 拝読する |
「いらっしゃる」が「行く・来る・いる」の三つに使えること、「伺う」が「行く・聞く」の二つに使えることに注意します。
形で見分ける手掛かり
| 形 | 敬語 |
|---|---|
| お〜になる、ご〜になる | 尊敬語 |
| お〜する、ご〜する | 謙譲語 |
| 〜れる、〜られる | 尊敬語(受け身と区別) |
| 〜てくださる | 尊敬語(相手がしてくれる) |
| 〜ていただく | 謙譲語(自分がしてもらう) |
| 拝〜(拝見、拝読、拝聴、拝借) | 謙譲語 |
「お〜になる」と「お〜する」は、語尾の「なる/する」で向きが決まります。
例題:分類する
(生徒が先生に)先生がお貸しくださった本を拝読しましたので、明日お返しします。
| 敬語 | 動作主 | 向き | 種類 |
|---|---|---|---|
| お貸しくださった | 先生 | 相手↑ | 尊敬語 |
| 拝読した | 私 | 自分↓(先生の本) | 謙譲語 |
| お返しします | 私 | 自分↓(先生に) | 謙譲語 |
「〜てくださる」と「〜ていただく」
| 文 | 動作主 | 受け手 | 種類 |
|---|---|---|---|
| 先生が教えてくださった | 先生 | 私 | 尊敬語 |
| 私が先生に教えていただいた | 先生(教える) | 私(もらう) | 謙譲語 |
同じ出来事を、先生を主語にすれば「くださる」、私を主語にすれば「いただく」。どちらも正しく、主語で選びます。
よくある間違い
語の見た目で尊敬・謙譲を決める
「伺う」も「いらっしゃる」も丁寧に見えます。動作主で決めます。
「〜ていただく」を尊敬語だと思う
「いただく」のは私です。謙譲語。
「お〜する」を尊敬語だと思う
「お〜する」は自分の動作。「お〜になる」が尊敬語。語尾で見分けます。
自分で確かめよう
確認1:尊敬語と謙譲語を見分ける一つ目の問い
動作主は誰か(相手側なら尊敬語、自分側なら謙譲語か丁寧語)。
確認2:「お〜になる」と「お〜する」の違い
「お〜になる」は尊敬語(相手↑)、「お〜する」は謙譲語(自分↓)。
確認3:「先生に教えていただいた」の敬語の種類
謙譲語(もらうのは私)。
まとめと次の一歩
尊敬語と謙譲語は、動作主が相手側か自分側かで決まります。対の表で覚え、「お〜になる/お〜する」「くださる/いただく」「拝〜」の形も手掛かりにします。
次のレッスンでは、複数の動作が混ざる文で、動作ごとに向きを決めて敬語を選ぶ手順を一行ずつ使えるようにします。
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