内と外を意識した言葉遣い:不自然な表現を直す
このレッスンの役割
内と外の誤りは、外の人に内の人を高める、内の人に敬称を付ける、相手側の人を低める、呼び方の取り違え、の四つに分けられます。ここでは、それぞれを型に分け、直します。
今回の中心技能は、内と外の誤りを見て四つの型のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
(他校の先生に)「うちの田中先生がおっしゃるには、御校の山本さんがとても優秀だそうですね。」
二か所が不自然です。「田中先生がおっしゃる」→ 聞き手が他校なので田中先生は内。「田中が申すには」。「御校の山本さん」→ 相手の学校の生徒でも、先生に話すなら「山本さん」は許容だが、相手側の人なので低めない。ここは「御校の山本さんが」のままで問題ない。直し:「本校の田中が申すには、御校の山本さんがとても優秀だそうですね。」
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 外の人に内の人を高める | 聞き手が外なのに家族・自校の人に尊敬語 | 父がおっしゃる、校長先生がいらっしゃる(他校の人に) | 内は自分↓(申す、参る) |
| ② 内の人に敬称 | 外の人に対して「〇〇先生」「〇〇部長」 | 山田先生は外出中です(他校の人に) | 敬称を外す(山田は) |
| ③ 相手側の人を低める | 相手の家族・学校の人に謙譲語 | お父様が申された、御校の先生が参る | 外は相手↑(おっしゃる、いらっしゃる) |
| ④ 呼び方の取り違え | 本校/御校、父/お父様 を逆に | 御校(自分の学校を指して)、私のお父様 | 自分側は本校・父、相手側は御校・お父様 |
型①を直す:聞き手を確かめる
| 誤り | 聞き手 | 直し |
|---|---|---|
| 父がおっしゃっていました | 面接官 | 父が申しておりました |
| 校長先生がいらっしゃいます | 他校の人 | 校長が参ります |
| 母がご覧になりました | 先生 | 母が見ました(拝見しました) |
型②を直す:敬称を外す
| 誤り | 直し |
|---|---|
| 山田先生は席を外しております | 山田は席を外しております |
| 担当の鈴木部長が承ります | 担当の鈴木が承ります |
| 校長先生の田中が | 校長の田中が |
職名を付けるなら「校長の田中」「部長の鈴木」の順。「田中校長」は外の人が呼ぶ形。
型③を直す:相手側は高める
| 誤り | 直し |
|---|---|
| お父様が申されたとおり | お父様がおっしゃったとおり |
| 御校の先生が参るそうで | 御校の先生がいらっしゃるそうで |
| そちらの部長が伺います | そちらの部長がいらっしゃいます |
内と外を意識しすぎて、相手側まで低めないこと。
型④を直す:呼び方の対
| 自分側 | 相手側 |
|---|---|
| 父、母、祖父、祖母 | お父様、お母様、おじい様、おばあ様 |
| 本校、当校、私ども | 御校、貴校、そちら |
| 弊社、当社 | 御社、貴社 |
| 家内、妻、夫 | 奥様、ご主人 |
例題:どの型か
(面接で)「私のお母さんが、御校の説明会に参加してくださいました。」
型①④。「私の母が、御校の説明会に参加しました。」
(他校の先生に)「御校の校長が申されたことを、本校の校長先生にお伝えします。」
型③②。「御校の校長先生がおっしゃったことを、本校の校長に伝えます。」
よくある間違い
家族を高めるのが礼儀だと思う
家庭内では自然でも、外の人に向かっては内です。
「先生」は職名だから外の人にも付けてよいと思う
職名として「担任」「校長」は使えますが、「〇〇先生」と敬称で呼ぶのは内の人に対してだけ。
相手の家族も「父」「母」と呼ぶ
相手の家族は「お父様」「お母様」。
自分で確かめよう
確認1:面接官に「父がおっしゃっていました」と言う誤りの型と直し方
型①。「父が申しておりました」。
確認2:他校の人に「山田先生は外出中です」と言う誤りの型と直し方
型②。「山田は外出しております」。
確認3:「御校の先生が参る」の誤りの型と直し方
型③。「御校の先生がいらっしゃる」。
まとめと次の一歩
誤りは、外の人に内の人を高める、内の人に敬称、相手側を低める、呼び方の取り違え、の四つに分けられます。聞き手の確認、敬称を外す、相手側は高める、呼び方の対、で直せます。
次のレッスンでは、電話・面接・入試形式の問題で、内と外の判断を通して使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。