LESSON 01

相手・場面・目的を考えよう

相手・場面・目的を考えよう:人物関係と働きをつかむ

言葉遣いは「誰が・誰に・どんな場面で・何のために」で決まることをつかみ、同じ内容が相手と場面によって形を変える仕組みと、敬語の三つの働き(高める・低める・丁寧にする)の入り口を学びます。

相手・場面・目的を考えよう:人物関係と働きをつかむ

このレッスンの役割

このコースでは、敬語と言葉遣いを「相手との関係を言葉で表す仕組み」として学びます。暗記ではなく、「誰が、誰に、どんな場面で、何のために」の四つを確かめれば、使う言葉が決まります。ここでは、その四つの問いと、敬語の三つの働きをつかみます。

今回の中心技能は、一つの発話について「話し手・聞き手・場面・目的」を取り出し、言葉遣いがそれに合っているかを判断できることです。目安時間は8分です。

今日の問い

次の三つは、同じ内容です。どこが違うでしょうか。

①明日休む。 ②明日休みます。 ③明日お休みをいただきたいのですが。

①は友人へ、②は先生へ、③は職場の上司へ、という相手の違いです。内容は同じでも、相手と場面で形が変わります。これが言葉遣いです。

四つの問い

問い 内容 例
誰が 話し手(自分側か、相手側か) 私、私の母/先生、お客様
誰に 聞き手(親しいか、目上か、初対面か) 友人/先生/面接官
どんな場面で 公的か私的か、話し言葉か書き言葉か 休み時間/職員室/手紙
何のために 依頼、報告、質問、断り、お礼 休みたい、知らせたい

この四つがそろうと、言葉遣いは一つに決まります。設問「この場面にふさわしい言い方を選べ」は、四つの問いを順に埋めれば解けます。

敬語の三つの働き

種類 働き 誰の動作か 例
尊敬語 相手側の動作・物を高める 相手側 先生がいらっしゃる、おっしゃる
謙譲語 自分側の動作を低めて相手を立てる 自分側 私が伺う、申し上げる
丁寧語 聞き手に対して丁寧に言う 誰でも 〜です、〜ます、ございます

記号で表すと、尊敬語は「相手↑」、謙譲語は「自分↓」、丁寧語は「聞き手→丁寧」。この三つの記号は、コース全体で使います。

例題:四つの問いを埋める

(職員室で、生徒が担任に)先生、明日の委員会の資料を、いただけますか。

問い 答え
誰が 生徒(自分側)
誰に 担任(目上)
場面 職員室(公的)
目的 依頼

「いただけますか」は、自分がもらう動作を低める謙譲語(自分↓)+丁寧語(ます)。四つの問いに合っています。

言葉遣いは関係を表す

言い方 読み取れる関係
「来て」 対等か親しい
「来てください」 丁寧だが距離は近い
「お越しください」 相手を高めている(目上・客)
「来い」 上から下、または乱暴

会話文の設問「二人の関係を答えよ」は、言葉遣いから逆算します。

よくある間違い

丁寧語を使えば敬語は十分だと思う

「先生が来ます」は丁寧ですが、先生の動作を高めていません。目上の動作には尊敬語(いらっしゃいます)が要ります。

相手だけ見て場面を見ない

同じ先生でも、部活の休憩中と面接では言葉が変わります。場面も問いに入れます。

「敬語=難しい言葉」と思う

敬語は関係を表す道具です。四つの問いに合っていれば、短い言葉でも正しい敬語です。

自分で確かめよう

確認1:言葉遣いを決める四つの問い

誰が(話し手)、誰に(聞き手)、どんな場面で、何のために。

確認2:敬語の三つの働きと記号

尊敬語(相手↑)、謙譲語(自分↓)、丁寧語(聞き手→丁寧)。

確認3:「先生が来ます」に足りないもの

先生の動作を高める尊敬語(いらっしゃいます)。

まとめと次の一歩

言葉遣いは、誰が・誰に・どんな場面で・何のために、の四つで決まります。敬語には、相手を高める尊敬語、自分を低める謙譲語、聞き手に丁寧な丁寧語の三つの働きがあります。

次のレッスンでは、「動作をするのは誰か」「動作は誰に向かうか」から、尊敬語と謙譲語のどちらを使うかを選ぶ手順を一行ずつ使えるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:四つの問いと三つの働き

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    言葉遣いを決める四つの問いはどれですか。
  2. 設問 1
    相手側の動作を高める敬語はどれですか。
  3. 設問 2
    「先生が来ます」に足りないものはどれですか。
  4. 設問 3
    謙譲語の記号として正しいものはどれですか。
  5. 設問 4
    「来て」「来てください」「お越しください」のうち、相手を最も高めている言い方はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。