内と外を意識した言葉遣い:人物関係と働きをつかむ
このレッスンの役割
「自分側」と「相手側」の線は、「私」と「あなた」の間ではなく、「聞き手から見た内と外」の間に引かれます。家族、自分の学校、自分の会社は、外の人と話すときは「内」になり、高めません。ここでは、この線引きの原則と、呼び方の変化をつかみます。
今回の中心技能は、話題の人物が聞き手から見て内か外かを判定し、内なら高めない・外なら高める、を言えることです。目安時間は8分です。
今日の問い
同じ「担任の先生が言った」を、①友人に、②担任本人に、③他校の先生に、それぞれ言うとどうなるでしょうか。
①「先生が言ってた」(対等の相手に、敬語は任意)。②「先生がおっしゃった」(相手本人なので外、高める)。③「担任が申しておりました」(聞き手が他校の人なので、自校の担任は内、高めない)。同じ人物でも、聞き手で扱いが変わります。
内と外の原則
| 聞き手 | 話題の人物 | 扱い | 例 |
|---|---|---|---|
| 外の人(他校、他社、客、面接官) | 自分の家族、自校の先生、自社の人 | 内 → 高めない(自分↓) | 父が申す、校長が参る、田中(自社の上司)が承る |
| 内の人(自校の先生、同じ部の先輩) | 自校の校長、自校の先生 | 外 → 高める(相手↑) | 校長先生がいらっしゃる |
| 誰でも | 聞き手本人 | 外 → 高める | 先生がおっしゃる |
「内」は、聞き手から見て「話し手と同じグループ」の人です。
呼び方の変化
| 人物 | 内として(外の人に) | 外として(直接、または内の人に) |
|---|---|---|
| 父・母 | 父、母 | お父さん、お母さん(相手の父母は「お父様、お母様」) |
| 自校の校長 | 校長、校長の〇〇 | 校長先生 |
| 自校の先生 | 担任の〇〇、教員の〇〇 | 〇〇先生 |
| 自社の上司 | 部長の〇〇、〇〇 | 〇〇部長 |
| 自分の学校・会社 | 本校、当校、弊社 | (相手の)御校、貴校、御社 |
外の人に話すとき、内の人には「先生」「部長」などの敬称を付けません。
判定の二つの問い
| 問い | 答え | 扱い |
|---|---|---|
| 聞き手は、話題の人物と同じグループか | 同じ | 話題の人物は外(高める) |
| 聞き手は、話題の人物と同じグループか | 違う(聞き手が外) | 話題の人物は内(高めない) |
例:聞き手が他校の先生、話題が自校の校長 → 違うグループ → 校長は内 → 「校長が申す」。
例題:判定する
(面接官に)私の中学校の校長先生が、この学校を勧めてくださいました。
聞き手は面接官(外)。校長は自校の人(内)。「私の中学校の校長が、この学校を勧めてくれました。」「校長先生」→「校長」、「くださいました」→「くれました」。
(自校の担任に)校長先生が明日いらっしゃるそうですね。
聞き手は担任(内)。校長は同じ学校の目上(外として扱う)。そのままで正しい。
内の人に対する「身内敬語」
家庭の中で「お父さんがおっしゃった」と言うのは、家庭内の会話としては自然です(家族を聞き手より外に置く)。しかし、外の人に向かっては使いません。場面で切り替えます。
よくある間違い
目上なら常に高める
自校の校長は目上ですが、他校の人に話すときは内。高めません。
外の人に「〇〇先生」「〇〇部長」と敬称を付ける
内の人には敬称を付けず、「校長の〇〇」「部長の〇〇」。
「本校」と「御校」を取り違える
自分の学校は本校・当校、相手の学校は御校・貴校。
自分で確かめよう
確認1:内と外を判定する問い
聞き手は、話題の人物と同じグループか(違えば話題の人物は内)。
確認2:面接官に自校の校長の動作を言うときの形
「校長が申す/参る」(高めない、敬称なし)。
確認3:自分の学校と相手の学校の呼び方
本校・当校/御校・貴校。
まとめと次の一歩
内と外は聞き手から見て決まり、内の人は高めず、敬称も付けません。父母・校長・上司・学校の呼び方は、内か外かで変わります。
次のレッスンでは、聞き手と話題の人物の組み合わせから、敬語と呼び方を決める手順を一行ずつ使えるようにします。
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