「お・ご〜になる/する」:人物関係と働きをつかむ
このレッスンの役割
特別な形がない動詞(読む、書く、渡す、説明する)は、「お・ご〜になる」で尊敬語、「お・ご〜する」で謙譲語を作ります。規則的なので覚えやすい反面、「お」と「ご」の選択、使えない動詞、「〜する」と「〜になる」の取り違えが起きます。ここでは、この規則的な形の仕組みをつかみます。
今回の中心技能は、「お〜になる=相手↑」「お〜する=自分↓」の対応と、「お/ご」の使い分けの原則を言えることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「渡す」を、①先生の動作、②私の動作として敬語にしなさい。
①先生がお渡しになる(お〜になる、相手↑)。②私がお渡しする(お〜する、自分↓)。同じ「お渡し」でも、語尾の「になる/する」で向きが逆になります。
二つの形の対応
| 形 | 敬語 | 記号 | 例 |
|---|---|---|---|
| お(ご)+連用形+になる | 尊敬語 | 相手↑ | お読みになる、お書きになる、ご説明になる |
| お(ご)+連用形+する | 謙譲語 | 自分↓ | お読みする、お書きする、ご説明する |
「お〜する」の謙譲語は、動作が相手に向かうときだけ使えます(お渡しする、お送りする、ご連絡する)。相手のない動作(お走りする)には使えません。
「お」と「ご」の使い分け
| 語の種類 | 付けるもの | 例 |
|---|---|---|
| 和語(訓読み) | お | お読みになる、お書きする、お話しになる |
| 漢語(音読み) | ご | ご説明する、ご利用になる、ご連絡する |
| 例外(漢語でも「お」) | お | お電話、お返事、お勉強、お料理、お食事 |
原則は「和語に『お』、漢語に『ご』」。例外は、日常でよく使う漢語に「お」が付くものです。
この形にできない動詞
| 動詞 | 理由 | 代わりの形 |
|---|---|---|
| 言う、見る、行く、来る、食べる、する、いる、知る | 特別な形がある | おっしゃる、ご覧になる など |
| 走る、寝る、起きる(謙譲) | 相手に向かわない | 走ります(丁寧語のみ) |
| 一音の動詞(見る、着る、寝る) | 「お見になる」が作りにくい | ご覧になる、お召しになる、お休みになる |
特別な形がある動詞に「お〜になる」を作ると、「お言いになる」のような誤りになります。
物に付く「お・ご」との区別
| 種類 | 例 | 働き |
|---|---|---|
| 動詞の敬語(お〜になる/する) | お読みになる、お渡しする | 動作を高める/低める |
| 相手の物(尊敬) | 先生のお名前、ご意見 | 相手の物を高める |
| 美化語 | お茶、ご飯 | 上品にするだけ |
設問「『お』の働きが他と異なるものを選べ」は、この三種類の区別を問います。
例題:作る
| 動詞 | 動作主 | 形 |
|---|---|---|
| 届ける | 先生 | お届けになる |
| 届ける | 私(先生に) | お届けする |
| 案内する | 先生 | ご案内になる(ご案内くださる) |
| 案内する | 私(先生を) | ご案内する |
| 電話する | 私(先生に) | お電話する(例外で「お」) |
よくある間違い
「お〜する」を尊敬語だと思う
「お〜する」は自分の動作です。「先生がお読みする」は誤り。
漢語に「お」を付ける
「お説明」「お利用」は誤り。「ご説明」「ご利用」。ただし「お電話」「お返事」は例外。
特別な形がある動詞に「お〜になる」を作る
「お言いになる」「お見になる」は誤り。特別な形を使います。
自分で確かめよう
確認1:「お〜になる」と「お〜する」の記号
お〜になる:相手↑(尊敬語)。お〜する:自分↓(謙譲語)。
確認2:「お」と「ご」の使い分けの原則
和語に「お」、漢語に「ご」(例外:お電話、お返事など)。
確認3:「説明する」の尊敬語と謙譲語
ご説明になる(ご説明くださる)/ご説明する。
まとめと次の一歩
「お・ご〜になる」は尊敬語、「お・ご〜する」は謙譲語で、語尾で向きが決まります。和語に「お」、漢語に「ご」が原則で、特別な形がある動詞にはこの形を作りません。
次のレッスンでは、動詞を見て「特別な形か、お〜になる/するか、どちらも使えないか」を判定し、「お/ご」を選ぶ手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。