LESSON 01

会話文から関係を読み取ろう

会話文から関係を読み取ろう:動作主と向きで選ぶ

呼称と敬語に印をつける、敬語の向きと呼称で立場を決める、文末とくだけた語で距離を決める、過剰・命令形・変化で態度を読むという四段階で、会話文から人物関係を読み取る手順を一行ずつ使います。

会話文から関係を読み取ろう:動作主と向きで選ぶ

このレッスンの役割

前のレッスンで、三つの読み取りと手掛かりを知りました。ここでは、会話文を読んで立場・距離・態度を順に決める手順を一つに決めます。設問「二人の関係」「気持ちの変化」は、この手順で根拠つきで答えられます。

今回の中心技能は、「呼称と敬語に印をつける → 向きと呼称で立場 → 文末とくだけた語で距離 → 過剰・命令形・変化で態度」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

「田中さん、ちょっといいですか。この書類、ここが間違っていますよ。」 「あ、すみません、部長。すぐに直します。」 「頼みますね。……それと、昨日は遅くまでありがとう。助かったよ。」

手順で読みます。印:田中さん、ですか、ますよ/部長、すみません、直します/頼みますね、ありがとう、助かったよ。立場:「部長」と呼ぶ側が下、「田中さん」と呼ぶ側が上。距離:両方丁寧語で仕事上の関係だが、最後の「助かったよ」は普通の形。態度:部長は最初は注意、最後は感謝でくだけた(距離が縮まる)。

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 呼称と敬語に印をつける 田中さん、部長、ですか、直します、助かったよ
2 敬語の向きと呼称で立場を決める 部長が上、田中が下
3 文末とくだけた語で距離を決める 丁寧語中心(仕事上)、最後に「よ」
4 過剰・命令形・変化で態度を読む 注意 → 感謝で和らぐ

段階1:印をつけるもの

種類 例
呼称 先生、部長、〇〇さん、〇〇君、おまえ、呼び捨て
敬語 いらっしゃる、伺う、です、ます、ございます
文末 だよ、だね、じゃん、ってば、〜かな、〜しろ
命令・依頼の形 〜しなさい、〜して、〜してくれる?、〜していただけますか

段階2:立場の判定表

話し手A 話し手B 判定
尊敬語・謙譲語を使う 普通の形 Aが下、Bが上
丁寧語のみ 丁寧語のみ 対等(距離あり)
普通の形 普通の形 対等(親しい)
「〇〇先生」と呼ぶ 「〇〇君」と呼ぶ Aが下、Bが上
命令形 丁寧語 Aが上(または乱暴)

段階3:距離の判定表

文末・語 距離
だよ、だね、じゃん、〜ってば 近い
です、ます 中(仕事上、公的)
ございます、〜でいらっしゃいます 遠い(改まった)
途中で変わる 変化あり(段階4へ)

段階4:態度の判定表

手掛かり 態度
親しい相手に急な敬語 皮肉、怒り、距離を置く
目上に命令形 反抗、感情の爆発
丁寧語 → 普通の形 打ち解けた、感謝、安心
普通の形 → 丁寧語 緊張、よそよそしさ、怒り
言い直し 緊張、関係への気づき
〜かな、〜てくれる?(上から) 配慮、穏やか

例題:変化を読む

兄「おい、おれのゲーム勝手に使うなよ。」 弟「ごめん。」 兄「……まあいいけど。次は言えよ。」 弟「うん。ありがと。」

段階 内容
1 おい、おれ、使うなよ/ごめん/まあいいけど、言えよ/うん、ありがと
2 兄が上(命令形「使うな」「言え」)
3 近い(普通の形、省略)
4 兄:怒り → 許す(「まあいいけど」)。弟:謝る → 安心(「ありがと」)

記述への応用

「二人の関係を説明せよ」は、段階2と3を文にします。「上司と部下で、仕事上の丁寧な関係だが、最後に上司がくだけた言い方で感謝しており、信頼がある。」根拠として、印をつけた語を引用します。

よくある間違い

段階1で内容の語に印をつける

「書類」「ゲーム」は関係の手掛かりではありません。呼称・敬語・文末に印。

段階2で丁寧語を「目下」と読む

丁寧語は距離の手掛かりです。上下は向き(尊敬・謙譲)と呼称。

段階4を省いて変化を見ない

会話の途中で言葉が変わるところに、心情の変化があります。

自分で確かめよう

確認1:「先輩、お願いします」「おう、任せとけ」の立場と距離

話し手1が下(先輩、お願いします)、話し手2が上(おう、任せとけ)。距離は近い(部活の先輩後輩)。

確認2:立場を決める二つの手掛かり

敬語の向き(尊敬・謙譲)と呼称。

確認3:「丁寧語 → 普通の形」の変化が表す態度

打ち解けた、感謝、安心。

まとめと次の一歩

手順は、呼称と敬語に印、向きと呼称で立場、文末で距離、変化で態度、の四段階です。記述では段階2・3を文にし、印をつけた語を根拠にします。

次のレッスンでは、会話文の読み取りでよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:会話文から関係を読む手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    会話文から関係を読む四段階の段階1で印をつけるものはどれですか。
  2. 設問 1
    立場(上下)を決める手掛かりはどれですか。
  3. 設問 2
    「だよ」「じゃん」「ってば」から読めるものはどれですか。
  4. 設問 3
    「おい、使うなよ」「ごめん」「まあいいけど」で、兄の態度の変化はどれですか。
  5. 設問 4
    「二人の関係を説明せよ」の記述で根拠として引用するものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。