謙譲語の基本:会話・面接・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「謙譲語の基本」の出口です。働き、三つの作り方、四段階の手順、誤りの四つの型を、会話・面接・入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、動詞を謙譲語に書き換え、「伺う/参る」を選び、相手の動作に使われた謙譲語を訂正し、面接で自分の動作を正しく言うことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
謙譲語は、三つの形で出ます。
- 書き換え:「──線部を謙譲語に直せ」
- 選択:「──線部の表現として適切なものを選べ」(伺う/参る、お〜する/お〜くださる)
- 訂正:「次の文の敬語の誤りを直せ」(相手の動作に謙譲語)
総合問題
問1
次の──線部を、特別な形の謙譲語に直しなさい。(生徒が先生に話す場面) ① 先生の絵を①見ました。 ② 明日、先生の研究室に②行きます。 ③ 先生に③言いたいことがあります。 ④ 先生から本を④もらいました。
問2
次の文の( )に、「伺います」「参ります」のうち適切なほうを入れなさい。 ① 来週、祖父の家に( )。(生徒が先生に) ② 明日、先生のお宅に( )。(生徒が先生に) ③ 午後から東京に( )。(生徒が先生に)
問3
次の文の誤りを直しなさい。 ① お客様が受付でお名前をお書きしてください。 ② 先生が私の相談を伺ってくださった。 ③ 私は毎朝六時にお起きしています。
問4
面接で「この学校を志望した理由を教えてください」と聞かれた。次の答えの敬語の誤りを直しなさい。 「はい、学校説明会で先生方のお話を聞いて、この学校の雰囲気に魅力を感じました。先輩にも話を伺って、ここで学びたいと思いました。」
答えと判断
問1
①拝見しました。②伺います。③申し上げたい。④いただきました。すべて動作主が私で、先生(の物)に向かう。
問2
①参ります(祖父は自分側で、向かう相手として立てない)。②伺います(先生に向かう)。③参ります(東京に向かう相手なし)。
問3
①「お客様が受付でお名前をお書きください。」動作主がお客様(相手側)なので「お〜ください」。②「先生が私の相談をお聞きになってくださった。」または「聞いてくださった」。伺うのは自分の動作。③「私は毎朝六時に起きています。」向かう相手なし。
問4
「お話を聞いて」→「お話を伺って」(先生方に向かう動作なので謙譲語)。「先輩にも話を伺って」は、先輩が目上なら正しい。ただし「お話を伺って」と「話を伺って」の整合をとり、「先輩からもお話を伺い」とするとよい。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1②で「参ります」 | 向かう相手(先生)があるので「伺う」 | 動作主と向きで選ぶ(段階2) |
| 問2①で「伺います」 | 祖父は自分側、立てる相手ではない | 不自然な表現を直す(型③) |
| 問3①を「お書きしてください」のまま | お〜するを相手に使った | 不自然な表現を直す(型④) |
| 問3②を「伺ってくださった」のまま | 相手側に謙譲語 | 不自然な表現を直す(型①) |
向きの表
| 動作 | 動作主 | 向かう相手 | 記号 | 形 |
|---|---|---|---|---|
| 見る(先生の絵を) | 私 | 先生の物 | 自分↓ | 拝見する |
| 行く(先生の研究室に) | 私 | 先生 | 自分↓ | 伺う |
| 行く(東京に) | 私 | なし | 自分↓(改まり) | 参る |
| 書く(お客様が) | お客様 | ― | 相手↑ | お書きになる、お書きください |
| 聞く(先生が私の相談を) | 先生 | 私 | 相手↑ | お聞きになる、聞いてくださる |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 動作主は自分側か | 私、私の家族 |
| 向かう相手は目上か | 先生、お客様、面接官 |
| 祖父・母など自分側の人を「向かう相手」として立てていないか | 参る |
| 相手の動作に「お〜する」「伺う」「拝見する」を使っていないか | 相手↑に直す |
| 相手のない動作に謙譲語を使っていないか | 起きる、走る、勉強する |
よくある間違い
自分の家族への動作を「伺う」にする
家族は自分側です。「祖父の家に参ります」。
「先生が伺ってくださった」を正しいと思う
「伺う」は自分の動作です。先生の動作には「お聞きになる」「聞いてくださる」。
面接で「お話を聞いて」で済ませる
先生方の話を聞く動作は先生方に向かうので「伺って」。
自分で説明しよう
確認1:「伺う」と「参る」の使い分け
向かう相手(目上)があれば「伺う」、なければ「参る」。
確認2:「お客様がお書きしてください」の直し方と理由
「お書きください」。動作主が相手側なので「お〜する」(自分↓)は使えない。
確認3:謙譲語が使える条件を二つ
動作主が自分側であること、動作が目上に向かうこと。
セクションの出口
動詞を謙譲語に書き換え、向かう相手の有無で「伺う/参る」を選び、相手の動作に使われた謙譲語を直し、面接で自分の動作を正しく言えたら完了です。
次のセクション「尊敬語と謙譲語を見分けよう」では、一つの文の中で尊敬語と謙譲語が混ざるとき、動作ごとに向きを決める方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。