このレッスンの役割
前のセクションでは、町人文化を支えた商業と貨幣経済の成長を学びました。同じ成長が、米を収入の基礎とする武士と幕府には難しい問題を生みます。
このレッスンでは、享保の改革の「原因」を完成させます。政策名はまだ覚えず、何を直す必要があったかを整理します。
おすすめの学び方
幕府の収入と支出を別々に書き、どちらが米で、どちらが貨幣で動くかに印をつけましょう。
収入は米、支出は貨幣
幕府の重要な収入は、直轄地からの年貢米でした。武士の俸禄も米を基準にしました。
一方、江戸の生活、工事、役人の仕事、品物の購入には貨幣が必要です。商業が発達するほど、支出は貨幣で行われます。
| 幕府・武士の収入 | 幕府・武士の支出 |
|---|---|
| 年貢米、米を基準とする俸禄 | 江戸での生活費、工事、品物、行政費 |
| 収穫量と米価に左右される | 貨幣で支払うものが多い |
米を売って貨幣に換えるため、同じ米の量でも米価が下がれば得られる貨幣は減ります。
財政を圧迫した要因
- 幕府政治や都市を維持する費用が増えた
- 火災・災害への復旧費がかかった
- 金銀の産出が減り、貨幣政策にも課題が出た
- 商品経済が発達し、武士の生活費が増えた
- 米価の変動で、米を収入源とする武士・幕府が不安定になった
一つの原因だけではありません。
どんな改革が必要か
財政を立て直す方法は大きく三つ考えられます。
- 支出を減らす
- 年貢などの収入を増やす
- 行政を効率化し、社会の安定を保つ
次から学ぶ政策を、この三分類へ置くと整理しやすくなります。
よくある間違い
「町人が豊かになったから幕府も自動的に豊かになった」は誤りです。商業の利益と、幕府が集める年貢米は同じ仕組みではありません。
自分で確かめよう
確認1:幕府の主な収入は何を基礎にしましたか
直轄地から納められる年貢米です。確認2:米価が下がると幕府・武士が困る理由は何ですか
米を売って得られる貨幣が減り、貨幣で払う生活費や行政費をまかないにくくなるからです。確認3:財政立て直しの三つの方向は何ですか
支出を減らす、収入を増やす、行政を効率化し社会を安定させることです。次は徳川吉宗が倹約令と上米の制で、支出と収入へどう働きかけたかを学びます。
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