LESSON 01

享保の改革と幕府財政

幕府財政はなぜ苦しくなったのか

米を中心とする収入と貨幣で増える支出のずれから、享保の改革が必要になった背景を理解します。

このレッスンの役割

前のセクションでは、町人文化を支えた商業と貨幣経済の成長を学びました。同じ成長が、米を収入の基礎とする武士と幕府には難しい問題を生みます。

このレッスンでは、享保の改革の「原因」を完成させます。政策名はまだ覚えず、何を直す必要があったかを整理します。

おすすめの学び方

幕府の収入と支出を別々に書き、どちらが米で、どちらが貨幣で動くかに印をつけましょう。

収入は米、支出は貨幣

幕府の重要な収入は、直轄地からの年貢米でした。武士の俸禄も米を基準にしました。

一方、江戸の生活、工事、役人の仕事、品物の購入には貨幣が必要です。商業が発達するほど、支出は貨幣で行われます。

幕府・武士の収入 幕府・武士の支出
年貢米、米を基準とする俸禄 江戸での生活費、工事、品物、行政費
収穫量と米価に左右される 貨幣で支払うものが多い

米を売って貨幣に換えるため、同じ米の量でも米価が下がれば得られる貨幣は減ります。

財政を圧迫した要因

  • 幕府政治や都市を維持する費用が増えた
  • 火災・災害への復旧費がかかった
  • 金銀の産出が減り、貨幣政策にも課題が出た
  • 商品経済が発達し、武士の生活費が増えた
  • 米価の変動で、米を収入源とする武士・幕府が不安定になった

一つの原因だけではありません。

どんな改革が必要か

財政を立て直す方法は大きく三つ考えられます。

  1. 支出を減らす
  2. 年貢などの収入を増やす
  3. 行政を効率化し、社会の安定を保つ

次から学ぶ政策を、この三分類へ置くと整理しやすくなります。

よくある間違い

「町人が豊かになったから幕府も自動的に豊かになった」は誤りです。商業の利益と、幕府が集める年貢米は同じ仕組みではありません。

自分で確かめよう

確認1:幕府の主な収入は何を基礎にしましたか直轄地から納められる年貢米です。
確認2:米価が下がると幕府・武士が困る理由は何ですか米を売って得られる貨幣が減り、貨幣で払う生活費や行政費をまかないにくくなるからです。
確認3:財政立て直しの三つの方向は何ですか支出を減らす、収入を増やす、行政を効率化し社会を安定させることです。

次は徳川吉宗が倹約令と上米の制で、支出と収入へどう働きかけたかを学びます。

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