LESSON 01

田沼政治と寛政の改革

長崎貿易と蝦夷地開発は何をねらったのか

俵物輸出・貿易拡大・蝦夷地調査を、幕府収入とロシア接近への関心から理解します。

このレッスンの役割

株仲間は国内商業を幕府収入へつなぐ政策でした。ここでは海外貿易と北方への関心を扱います。

中心技能は、田沼政治の対外政策を「鎖国をやめた」とせず、管理された交流の中で利益と情報を増やす政策として説明することです。

長崎貿易で何を売ったのか

金銀銅の海外流出を抑えながら輸入品を得るため、幕府は俵物の輸出を奨励しました。

俵物とは、干しあわび、いりこ、ふかひれなど、俵に詰めて中国へ輸出した海産物です。

国内の海産物を集める → 長崎から中国へ輸出する → 輸入品の代価にする → 貿易利益と幕府収入を得る

漁業・流通・長崎貿易が一つにつながります。

蝦夷地へ向けた関心

18世紀後半、ロシアがシベリアから千島列島方面へ進出しました。幕府には、北方の地理・資源・ロシアの動きを知る必要が生まれます。

田沼意次の時代には、蝦夷地の調査・開発やロシアとの交易可能性が検討されました。実現しなかった計画もありますが、北方を経済と外交の両面から見た点が重要です。

だれの土地として考えるか

蝦夷地は「だれも使っていない土地」ではありません。アイヌ民族が独自の社会・文化と交易圏を築いていました。

幕府や商人の開発計画を学ぶときは、資源を得る側だけでなく、アイヌの土地・生活・交易への影響も考えます。

鎖国との関係

長崎貿易を増やすことは、自由貿易への全面転換ではありません。

  • 窓口は長崎などに限定
  • 相手・品物・量を幕府が管理
  • 利益と海外情報を得る
  • 禁教と国内支配は維持する

鎖国体制の中で、管理方法と経済利用を強めた政策です。

よくある間違い

「俵物は米俵」「田沼が鎖国を廃止した」「蝦夷地は無人だった」は誤りです。海産物、管理貿易、アイヌ民族の社会をそれぞれ確認します。

自分で確かめよう

確認1:俵物の例を二つ挙げられますか干しあわび、いりこ、ふかひれなどから二つです。
確認2:蝦夷地への関心が高まった外的理由は何ですかロシアがシベリアから千島列島方面へ進出してきたことです。
確認3:田沼の貿易政策と鎖国は両立しますかはい。幕府が窓口と相手を限定・管理したまま、貿易利益を増やそうとしました。

次は天明の大飢饉を学び、田沼政治が終わる社会的背景を考えます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。