LESSON 01

享保の改革と幕府財政

新田開発と定免法は年貢をどう変えたのか

耕地拡大と年貢率の固定を通して、幕府収入の安定と農民負担が両立しなかった場合を考えます。

このレッスンの役割

倹約令と上米の制は、支出を減らし短期的に米を得る政策でした。ここでは、幕府の年貢収入をより継続的に増やす政策を学びます。

中心技能は、政策の利益を幕府側と農民側に分けて評価することです。

新田開発で収入の土台を増やす

幕府は新田開発を奨励しました。

新しい耕地を増やす → 収穫量と石高が増える → 年貢を納める土地が増える → 幕府・藩の収入増加が期待できる

前の「農業・諸産業の発達」で学んだ新田開発が、ここでは財政政策として再登場します。

検見法と定免法

年貢の決め方には、毎年の収穫を調べる検見法がありました。これに対し定免法は、過去数年の収穫などをもとに年貢率を決め、一定期間固定する方法です。

視点 検見法 定免法
決め方 毎年の作柄を調べる 過去の平均などで率を固定
幕府側 調査に手間がかかる 収入を予測しやすい
豊作の年 年貢も増えうる 率が同じなら余剰を得やすい
凶作の年 作柄を反映しうる 固定負担が重くなりやすい

実際の運用には地域差がありますが、「安定」と「凶作時の負担」を対で覚えます。

幕府の安定と農民の安定は同じか

幕府にとって、毎年ほぼ同じ年貢が入るのは財政計画に有利です。しかし凶作でも高い年貢率が維持されれば、農民の生活は苦しくなります。

政策の評価では、「だれにとって安定か」を主語にします。

よくある間違い

「定免法は年貢を免除する制度」は誤りです。「免」はここでは年貢率を指し、一定期間固定する方法です。

自分で確かめよう

確認1:新田開発が財政改善につながる理由は何ですか耕地と収穫が増え、年貢を納める土地と収入が増えるからです。
確認2:定免法とは何ですか過去の収穫などをもとに決めた年貢率を、一定期間固定する方法です。
確認3:定免法が凶作時に問題となる理由は何ですか収穫が減っても固定された年貢負担が重く残りやすいからです。

次は足高の制を学び、少ない費用で能力のある人材を役職へ登用する工夫を見ます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。