このレッスンの役割
天明の大飢饉と田沼政治への不信を受け、松平定信は寛政の改革を始めました。ここでは倹約だけでなく、農村と食料備蓄を立て直す政策を学びます。
中心技能は、囲米と旧里帰農令を「飢饉への備え」と「農村人口の回復」に分けて説明することです。
寛政の改革の出発点
松平定信は白河藩主として飢饉対策を経験し、老中となって1787年から改革を進めました。
田沼時代の商業重視や風紀の乱れを批判し、倹約、農村復興、武士の立て直し、学問・出版の統制を重視しました。
囲米
囲米は、各地に米を蓄えさせ、飢饉や災害のときに備える政策です。
平常時に米を備蓄する → 凶作時に放出できる → 食料不足と急激な米価上昇をやわらげる → 飢饉への抵抗力を高める
備蓄量や配り方が不十分なら救えないため、倉に置くだけでなく管理と公平な配分が必要です。
旧里帰農令
農村から江戸へ出た人が増えると、農村の働き手と耕地維持が不足します。一方、江戸では仕事や住まいのない人が増え、治安・救済の課題になります。
旧里帰農令は、江戸に流入した農民などに故郷の農村へ戻ることを勧め、旅費などを与えようとした政策です。
江戸の困窮者を減らす + 農村の働き手を戻す → 農業生産と村の維持を立て直す
人は命令だけで戻れるか
農村へ戻っても、土地・農具・家・仕事がなければ生活できません。そのため旧里帰農令の効果には限界がありました。
政策は「戻れ」と命じるだけでなく、戻った後の生活条件まで見て評価します。
よくある間違い
「囲米は米の売買を禁止する制度」「旧里帰農令は参勤交代の大名を国へ戻す制度」は誤りです。飢饉備蓄と、都市に出た農民らの帰村政策です。
自分で確かめよう
確認1:囲米の目的は何ですか
米を備蓄し、飢饉や災害時の食料不足と価格上昇に備えることです。確認2:旧里帰農令はだれをどこへ戻そうとしましたか
江戸へ流入した農民などを、故郷の農村へ戻そうとしました。確認3:旧里帰農令の限界は何ですか
農村に土地・仕事・生活基盤がなければ、帰っても暮らしを続けられないことです。次は棄捐令を通して、借金に苦しむ武士を救う政策が金融へ与えた影響を考えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。