LESSON 01

三都と交通・貨幣経済

廻船はなぜ全国流通の主役になったのか

東廻り・西廻り航路と菱垣廻船・樽廻船を比較し、海運が大量輸送を支えた理由を理解します。

このレッスンの役割

五街道は人・情報・比較的軽い荷物の移動を支えました。ここでは、米・酒・木材など大量で重い荷物を運ぶ海運を学びます。

到達点は、航路や船の名前を、出発地・到着地・運ぶ物と結びつけることです。

なぜ船を使ったのか

陸路では多くの人馬が必要で、重い荷物を長距離運ぶのは高くつきます。船なら一度に大量の荷物を運べます。

港を整える → 大量輸送が可能になる → 運送費が下がる → 遠い地域の商品も都市へ届く → 全国市場が広がる

一方、天候や海難の危険があり、必ず速く正確に届くとは限りませんでした。

東廻り・西廻り航路

17世紀後半、河村瑞賢らによって航路が整えられました。

航路 おおまかな流れ
東廻り航路 東北の太平洋側から江戸へ
西廻り航路 日本海側から瀬戸内海を通り大坂へ

西廻り航路では、北前船が各港に寄り、品物を売買しながら日本海・瀬戸内海を結びました。単に荷物を運ぶだけでなく、船主自身が商売をする場合もありました。

江戸と大坂を結ぶ船

大坂から江戸へ、綿・油・しょうゆなどを運ぶ菱垣廻船が発達しました。酒を主に運び、速さを重視した樽廻船も活躍します。

「菱垣=全部、樽=酒を中心」と整理すると、役割の違いが見えます。

交通網が文化も運ぶ

船は商品とともに、人、技術、言葉、食文化、流行も運びました。全国市場の成立は、文化の地域間交流にもつながります。

よくある間違い

「東廻り・西廻り航路は江戸と大坂を直接結ぶ二本の道」とするのは誤りです。東北・北陸などの年貢米を江戸・大坂へ運ぶために整えられた広域航路です。

自分で確かめよう

確認1:船が大量輸送に向く理由は何ですか重い荷物を一度に多く、陸路より少ない費用で運びやすいからです。
確認2:西廻り航路はどこを通って大坂へ向かいますか日本海側から瀬戸内海を通ります。
確認3:樽廻船が主に運んだものは何ですか酒です。

次は、全国の取引を支えた金・銀・銭と両替商を学びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。