LESSON 01

享保の改革と幕府財政

足高の制はなぜ人材登用に役立ったのか

役職に必要な俸禄との差額を在職中だけ補う仕組みから、行政の効率化と財政負担の抑制を学びます。

このレッスンの役割

これまでは米の収入と年貢を扱いました。ここでは行政を担う「人」の選び方に注目します。

中心技能は、足高の制が低い家格・俸禄の人を登用しやすくしながら、幕府の恒久的な支出を抑えた理由を説明することです。

役職と俸禄の問題

江戸幕府では、重要な役職には一定以上の俸禄が必要とされました。能力があっても、もとの俸禄が低ければ役職へ就けにくい問題があります。

そこで足高の制では、役職に必要な俸禄と本人の俸禄との差額を、在職中だけ補いました。

数で考える

ある役職に必要な俸禄を3000石、本人の俸禄を1000石とします。

必要な3000石 − 本人の1000石 = 足りない2000石

在職中は2000石を追加します。役職を退けば追加分はなくなり、本人のもとの俸禄へ戻ります。

何が変わったのか

能力があるが俸禄が低い → 在職中だけ不足分を補う → 家格・俸禄だけにしばられず登用しやすい → 役職を離れれば加増分を戻す → 幕府の恒久的支出を抑えられる

人材登用と財政節約を同時にねらった制度です。

限界も考える

足高の制で身分制度がなくなったわけではありません。登用の範囲は幕府の役職と武士社会の中にあり、すべての人が能力だけで自由に職へ就けたわけではありません。

よくある間違い

「足高の制は農民の年貢を足す制度」「追加された俸禄は子孫へ永久に受け継がれた」は誤りです。役職に就く武士へ、在職中だけ不足分を補いました。

自分で確かめよう

確認1:足高の制では何を補いましたか役職に必要な俸禄と、本人の俸禄との差額です。
確認2:追加分はいつまで続きましたかその役職に就いている間だけです。
確認3:財政と人材の両面から説明できますか能力ある人を登用しやすくしつつ、恒久的な俸禄増加を避けて支出を抑えました。

次は目安箱・小石川養生所・公事方御定書から、民意の把握と行政・裁判の整備を学びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。