このレッスンの役割
法令史料では、文章の主語と対象を読みました。ここでは数字の資料を扱います。
中心技能は、グラフの「上がった・下がった」を言うだけでなく、時期を特定し、歴史知識を使って理由または影響を説明することです。
グラフを見る四段階
- タイトル:何のデータか
- 横軸:年・地域・身分のどれか
- 縦軸:量・価格・割合と単位
- 変化:増加、減少、横ばい、急変
単位が石、両、文、人口、面積のどれかで意味が変わります。
増加の理由を選ぶ
耕地面積が17世紀に増えている資料なら、新田開発を考えます。
新田開発 → 耕地が増える → 米・作物の生産が増える → 年貢の対象と市場の商品が増える
ただし、グラフだけから「全員が豊かになった」とは言えません。年貢負担、地域差、凶作を示す別資料が必要です。
米価を立場別に読む
| 米価の変化 | 米を売る幕府・武士 | 米を買う都市民 |
|---|---|---|
| 下落 | 得られる貨幣が減る | 買いやすい |
| 上昇 | 得られる貨幣が増えうる | 食費が増える |
同じ折れ線でも、立場により影響が逆になります。
資料例
次は練習用の架空資料です。
| 年 | 米価指数 | 都市の打ちこわし件数 |
|---|---|---|
| A年 | 100 | 1 |
| B年 | 145 | 8 |
| C年 | 170 | 19 |
読み取れること:米価上昇とともに打ちこわし件数も増えています。
まだ言えないこと:米価上昇だけが、すべての打ちこわしを起こした。失業、飢饉、買い占めへの不満など別の要因も調べる必要があります。
改革へつなぐ
- 年貢収入を増やす → 新田開発、定免法
- 商業収入を増やす → 株仲間、運上・冥加
- 米価・物価へ対応 → 吉宗の米価政策、株仲間解散
- 飢饉へ備える → 囲米、甘藷奨励
グラフの変化を、政策が解こうとした問題へつなぎます。
よくある間違い
二つの線が同時に上がっただけで、一方が必ず原因だと決めるのは危険です。時期の一致は手がかりですが、原因は史料・制度・出来事で確かめます。
自分で確かめよう
確認1:グラフで最初に見る四点は何ですか
タイトル、横軸、縦軸と単位、変化です。確認2:米価上昇が都市民に与える影響は何ですか
主食の購入費が増え、特に貧しい人の生活が苦しくなります。確認3:相関と因果の違いは何ですか
同時に変化するのが相関で、一方が他方を起こす仕組みまで示せるのが因果です。次は文化資料を扱い、時期・地域・人物・社会背景を一度に判断します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。