このレッスンの役割
このセクションの出口です。天保の危機を、出来事の暗記ではなく「国内の構造問題」と「世界からの圧力」が重なった結果として説明します。
完成の目安は、年表・法令・物価資料・外国船図から手がかりを選び、内外の例を一つずつ用いて記述できることです。
内と外の因果図
年表の骨組み
| 年 | 出来事 | 意味 |
|---|---|---|
| 1792 | ラクスマン来航 | ロシアが通商を求める |
| 1808 | フェートン号事件 | 長崎警備の弱さ |
| 1825 | 異国船打払令 | 強硬な排除方針 |
| 1830年代 | 天保の大飢饉 | 救済・物価・農村危機 |
| 1837 | 大塩の乱、モリソン号事件 | 国内不信と対外強硬策 |
| 1839 | 蛮社の獄 | 政策批判と海外知識を弾圧 |
| 1840〜42 | アヘン戦争 | 西洋軍事力の衝撃 |
| 1841〜43 | 天保の改革 | 国内立て直しに失敗 |
| 1842 | 薪水給与令 | 衝突回避へ方針転換 |
資料問題の読み順
- 年と固有名詞から国内・国外を分ける
- 法令なら「だれに、何を命じたか」を読む
- 米価・人口なら生活への影響を考える
- 外国船図なら国・目的・来航地を確認する
- 二つの資料を「原因→対応→結果」でつなぐ
入試記述
問題:19世紀前半に幕藩体制が揺らいだ理由を、国内と国外の両面から説明しなさい。
解答例:国内では天保の大飢饉と米価高騰で百姓一揆・打ちこわしや大塩の乱が起こり、天保の改革も反発で失敗した一方、国外ではロシア・イギリスなどの船が接近し、海防と外交への対応を迫られたため。
よくある間違い
「外国船が来たから飢饉になった」「飢饉が原因でアヘン戦争が起きた」のように、別の流れを直接結びつけないでください。二つは別の原因から進み、幕府の負担と信頼低下で合流します。
自分で確かめよう
確認1:国内危機の例を二つ言えますか
天保の大飢饉、大塩の乱、百姓一揆・打ちこわし、天保の改革の失敗などから二つです。確認2:国外圧力の例を二つ言えますか
ラクスマン・レザノフ来航、フェートン号事件、モリソン号事件、アヘン戦争などから二つです。確認3:内外の危機はどこでつながりましたか
財政・救済・海防・外交を同時に行う必要が生まれ、幕府の対応力と信頼を弱めた点です。セクションのまとめ
飢饉、物価高、農村の変化は一揆・打ちこわし・大塩の乱を生み、天保の改革も反発で行き詰まりました。同時に外国船接近とアヘン戦争が海防・外交の転換を迫り、幕藩体制は内外から揺らぎました。
次の入試総合では、織豊政権からこの危機までを、年表・地図・法令・文化資料で横断します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。