LESSON 01

揺らぐ幕藩体制

異国船打払令と蛮社の獄はなぜ起きたのか

外国船を追い払う政策、モリソン号事件、蘭学者の批判と弾圧を因果でつなぎます。

このレッスンの役割

外国船接近で海防の弱さが見えました。ここでは幕府が1825年に出した異国船打払令と、政策批判を取り締まった蛮社の獄を学びます。

中心技能は、「外国船の接近→強硬策→事件→批判→弾圧」の流れを説明することです。

異国船打払令

異国船打払令は、日本沿岸へ近づく外国船を、事情を詳しく確かめず追い払う強硬な方針でした。

外国船が増える → 漂流民送還や貿易要求の目的を判断しにくい → キリスト教・侵略・密貿易を警戒する → 沿岸へ近づく船を砲撃して追い払う

幕府は鎖国と海岸を守ろうとしましたが、相手国の軍事力や国際法を十分に把握しない危険もありました。

モリソン号事件

1837年、アメリカの商船モリソン号が日本人漂流民を送り返し、通商の可能性を求めて来航しました。日本側は異国船打払令にもとづき砲撃しました。

武装侵略船ではない船へも砲撃したことで、幕府政策への批判が生まれます。

蛮社の獄

蘭学者の渡辺崋山や高野長英らは、海外情報にもとづき、外国船を事情も確かめず追い払う政策の危険性を批判しました。

幕府は1839年、彼らを処罰します。これを蛮社の獄といいます。

幕府の視点 蘭学者の視点
鎖国と支配秩序を守りたい 海外の軍事力・事情を知り現実的に対応したい
政策批判が広がるのを警戒 強硬策が戦争を招くと警告

情報を持つ人を罰する矛盾

海防には海外情報が必要です。しかし政策批判を弾圧すると、必要な知識と提案も政治へ届きにくくなります。

幕府の秩序維持と、変化する世界への対応が衝突した事件でした。

よくある間違い

「モリソン号はペリーの黒船」「蛮社の獄は外国人を処罰した事件」は誤りです。モリソン号はアメリカ商船で、処罰された中心は日本人の蘭学者です。

自分で確かめよう

確認1:異国船打払令は何を命じましたか日本沿岸へ近づく外国船を砲撃して追い払うことです。
確認2:モリソン号の来航目的は何でしたか日本人漂流民の送還と、通商の可能性を求めることです。
確認3:蛮社の獄が示す矛盾は何ですか海防に海外知識が必要なのに、海外情報にもとづく政策批判を弾圧したことです。

次は水野忠邦の天保の改革を学び、国内危機へ幕府がどう対応し、なぜ失敗したかを考えます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。