このレッスンの役割
前のレッスンでは、大国が二つの陣営に分かれたことを学びました。ここでは、一地域の民族対立が大国の同盟と結びついた場所、バルカン半島に注目します。
多くの民族と帝国
バルカン半島には、セルビア人、クロアチア人、ブルガリア人、ギリシャ人など多くの民族が暮らしていました。長く支配したオスマン帝国が弱まると、各民族は自分たちの国家をつくろうとしました。
帝国の衰退 → 支配下の民族が独立を求める → 国境と住民分布が一致しない → 新しい国家同士も領土を争う
セルビアとオーストリア
セルビアは南スラブ系の人々をまとめる国家を目指しました。しかしオーストリア=ハンガリー帝国内にも南スラブ系住民が多く、セルビアの民族主義を脅威と見ました。
ロシア:同じスラブ系のセルビアを支援 オーストリア:セルビアの拡大を警戒 ドイツ:同盟国オーストリアを支援 → 地域対立に大国が関わる
二度のバルカン戦争
1912年と1913年のバルカン戦争でオスマン帝国の領土は縮小し、セルビアは勢力を広げました。オーストリアの警戒はさらに強まります。
「火薬庫」とは、いつ爆発してもおかしくないほど民族・領土・大国の利害が重なったという比喩です。
民族主義の二面
民族主義は支配からの独立を求める力になります。一方、自民族の国家を広げようとして他民族と衝突し、少数派を排除する危険もあります。
確認1:バルカン半島で民族問題が複雑だった理由は何ですか。
多くの民族が混住し、オスマン帝国の衰退後も国境と民族分布が一致しなかったからです。
確認2:ロシアとオーストリアはセルビアをどう見ましたか。
ロシアはスラブ系のセルビアを支援し、オーストリアは自国の南スラブ系住民への影響を恐れて警戒しました。
確認3:「ヨーロッパの火薬庫」とは何を表す言葉ですか。
民族・領土問題と大国の利害が重なり、小さな危機が大戦へ広がり得る不安定な地域を表します。
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1914年、サラエボで皇位継承者が暗殺されます。次は一つの事件が開戦決定へ変わる過程を追います。