このレッスンの役割
前のレッスンでは、1925年の普通選挙法が成人男性の政治参加を広げたことを学びました。今回は同じ年に治安維持法が制定された意味を考えます。
中心技能は、民主化が進んだ面と統制が強まった面を一つの政治状況として説明することです。
治安維持法
治安維持法は、国体の変革や私有財産制度の否認を目的とする結社・運動を取り締まる法律として制定されました。
主な対象:
- 共産主義運動
- 社会主義運動
- のちには労働・農民・宗教・学問など広い思想活動
- 植民地の独立運動
「国体」は天皇を中心とする国家のあり方を指しました。
なぜ同じ年か
普通選挙 → 労働者・農民を含む有権者が増える → 社会主義政党が議会へ進出する可能性 + ロシア革命と共産主義への警戒 + 植民地独立運動への恐れ → 治安維持法で体制変革運動を抑える
政府は参加の範囲を広げながら、国家体制そのものを変える運動には強い境界線を引きました。
二つの法律を比較する
| 普通選挙法 | 治安維持法 |
|---|---|
| 選挙参加を広げる | 思想・組織活動を取り締まる |
| 成人男性の民意を議会へ | 天皇制・私有財産制を守る |
| 大正デモクラシーの前進 | 民主化の限界と統制 |
同じ社会の矛盾した動きとして見るのがポイントです。
のちの拡大
治安維持法は後に改正され、最高刑が重くなり、実際の暴力行為がなくても思想や組織への関わりを理由に多くの人が逮捕されました。転向を迫るなど、言論・思想の自由を大きく制限しました。
確認1:治安維持法が守ろうとした二つのものは何ですか。
天皇を中心とする国体と、私有財産制度です。
確認2:二つの法律が同年に成立した理由を説明しましょう。
成人男性の政治参加を広げる一方、社会主義・共産主義や体制変革運動が議会と社会で広がることを政府が警戒したからです。
確認3:治安維持法は民主化のどんな限界を示しますか。
投票参加は広がっても、政府が危険とみなす思想・結社・植民地独立運動の自由は厳しく制限されたことです。
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選挙だけでなく、労働者と農民はストライキや小作争議で生活条件の改善を求めました。次はその組織と方法を学びます。
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