このレッスンの役割
前のレッスンでは、原油価格上昇が物価へ広がる仕組みを学びました。今回は、費用が増えた企業と買い物を控えた家庭の行動から、高度経済成長が終わった理由を理解します。次は、企業が省エネルギーへ転換した方法を見ます。
成長の循環が逆向きになる
高度成長期には、投資→生産→所得→消費→投資という循環が働きました。石油価格が急上昇すると、企業の利益が減り、設備投資や生産を抑える動きが広がります。物価高で家庭の実質的な購買力も下がり、消費が弱くなりました。
景気停滞と物価上昇が同時に起こる状態をスタグフレーションといいます。景気が悪ければ物価も下がるという通常のイメージと異なるため、政策対応が難しくなります。
成長率の資料を読む
1974年、日本の実質経済成長率は戦後初めてマイナスになりました。ここを高度経済成長の終了の目安とします。その後、成長が止まったわけではなく、以前より低い安定成長へ移りました。
例題:グラフが1974年にマイナス、その後数%のプラスを示すとき、「日本経済は1974年以降ずっと縮小した」と言えるでしょうか。
言えません。高度成長は終わりましたが、その後はより低い成長率で拡大する時期もありました。
よくある間違い
「高度経済成長の終わり=経済成長そのものの終わり」ではありません。変わったのは主に成長の速さと産業のあり方です。
確認1:1974年の成長率に何が起きた?
戦後初めて実質経済成長率がマイナスになりました。確認2:スタグフレーションとは?
景気停滞と物価上昇が同時に起きる状態です。確認3:石油危機後、日本は成長しなくなった?
いいえ。高度成長から、より低い成長率の安定成長へ移りました。次への接続
費用増→投資・生産減→消費減という流れと、1974年の資料を結びつけられれば合格です。次は企業が少ないエネルギーで生産する工夫へ進みます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。