LESSON 01

日本国憲法と新しい社会

三権分立と議院内閣制は権力をどう抑えるのか

国会・内閣・裁判所の役割と相互の抑制を、一つの仕組みとして整理する。

このレッスンの役割

前のレッスンでは平和主義を学びました。しかし、よい原則を書くだけでは、権力が暴走する可能性をなくせません。ここでは、国会・内閣・裁判所に権力を分け、互いに確かめ合う仕組みを理解します。次は、身近な地域で民主主義を実行する地方自治へ進みます。

なぜ権力を分けるのか

一つの機関が、法律を作り、実行し、違反を判断する力をすべて持つと、自分に都合のよい決定を止めにくくなります。そこで日本国憲法は、国家権力を三つに分けました。目的は仕事の分担だけではなく、権力を権力で抑えることです。

権力 主な機関 主な仕事
立法 国会 法律を制定する
行政 内閣 法律や予算にもとづいて政策を実行する
司法 裁判所 法律にもとづいて争いを解決する

国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関です。ただし「最高」とは、国会が憲法を無視して何でもできるという意味ではありません。国会も憲法に従います。

議院内閣制とは

日本では、国会の信任にもとづいて内閣が成り立ちます。国会は国会議員の中から内閣総理大臣を指名し、内閣は国会に対して連帯して責任を負います。衆議院が内閣不信任決議をした場合、内閣は総辞職するか、衆議院を解散します。

相互に抑える仕組み

国会(立法) 内閣(行政) 裁判所(司法)

具体例として、裁判所は法律や命令が憲法に違反しないかを審査できます。最高裁判所は「憲法の番人」と呼ばれます。一方、国会は裁判官弾劾裁判所を設け、内閣は最高裁判所長官を指名します。このように一方向ではなく、相互の関係で見ます。

間違えやすい点

「三権分立だから三つの機関は完全に無関係」は誤りです。互いに関係を持ちながら、抑制と均衡を働かせます。入試では、機関名だけでなく、誰が誰に何をするかを矢印で判断します。

確認1:三権分立の目的は仕事の分担だけ?いいえ。権力を分けて互いに抑え、権力の集中や暴走を防ぐことが中心です。
確認2:内閣は誰に対して責任を負う?国会に対して連帯して責任を負います。
確認3:違憲立法審査権を持つのは?裁判所です。最高裁判所は終審裁判所として「憲法の番人」と呼ばれます。

次へ進む前に

三つの機関の役割と、相互に抑える具体例を一組ずつ説明できれば合格です。次は、この民主主義が都道府県や市町村でどう働くかを見ます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。