このレッスンの役割
このセクションの総合レッスンです。憲法の成立、国民主権、基本的人権、平和主義、三権分立、地方自治を、ばらばらな用語ではなく「戦前から何を変え、どう守る仕組みにしたか」という一本の説明にまとめます。次のセクションでは、憲法制定と同じ時期に世界を分けた冷戦を学びます。
二つの憲法を比較する
| 観点 | 大日本帝国憲法 | 日本国憲法 |
|---|---|---|
| 主権 | 天皇主権 | 国民主権 |
| 天皇 | 統治権を総攬する元首 | 日本国と日本国民統合の象徴 |
| 国民の権利 | 法律の範囲内で認められる臣民の権利 | 侵すことのできない永久の権利として基本的人権を保障 |
| 軍事・平和 | 天皇が陸海軍を統帥 | 平和主義を掲げ、戦争放棄などを規定 |
| 地方政治 | 中央集権的 | 地方自治を保障 |
比較問題では、片方だけを暗記するのではなく、「主権者が天皇から国民へ移ったため、天皇の地位や権利の考え方、政治制度も変わった」とつなげます。
三原則と制度を結びつける
原則は目標、制度は実現・保護の仕組みと考えると整理できます。たとえば、国民主権を選挙と地方自治が具体化し、基本的人権を裁判所の違憲立法審査権などが守ります。
入試資料の読み方
- 資料の年代と種類を確認する
- 主語が天皇・国民・国会・内閣・裁判所のどれかを見る
- 権利、平和、統治のどの観点か分類する
- 「変化」「目的」「仕組み」の順で答案を組み立てる
例として、女性議員が増えた1946年の国会写真が示されたら、女性参政権の実現だけでなく、国民主権と男女平等へつなげます。
記述答案の型
「戦前はAだったが、敗戦後はBとなった。これはCという原則にもとづき、Dという制度によって実現・保障された。」
例: 「戦前は天皇が主権を持ったが、敗戦後は国民が主権者となった。これは国民主権にもとづき、普通選挙や議会政治、地方自治によって具体化された。」
間違えやすい点
三原則と三権を混同しないようにします。三原則は国民主権・基本的人権の尊重・平和主義です。三権は立法・行政・司法です。また、日本国憲法の施行は1947年5月3日、公布は1946年11月3日です。
確認1:三原則と三権をそれぞれ答えると?
三原則は国民主権・基本的人権の尊重・平和主義、三権は立法・行政・司法です。確認2:公布と施行の日付は?
公布は1946年11月3日、施行は1947年5月3日です。確認3:比較記述で最初に決めることは?
何が「戦前から戦後へ」変化したのかという比較軸を決めます。セクションの到達点
日本国憲法は、敗戦と占領を背景に制定され、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を掲げました。その原則を、三権分立、選挙、裁判、地方自治などの制度で実現し守ろうとした、と説明できれば合格です。次は、同じ戦後世界で始まった冷戦へ進みます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。