LESSON 01

日本国憲法と新しい社会

地方自治はなぜ「民主主義の学校」なのか

地方公共団体の仕組みと住民参加を、身近な課題の解決から理解する。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、国の権力を分ける三権分立を学びました。ここでは、住民に近い都道府県や市町村で民主主義を動かす地方自治を学びます。次の総合レッスンでは、国民主権・基本的人権・平和主義と統治制度をまとめます。

地方自治が必要な理由

雪の多い地域、人口が急増する都市、高齢者が多い町では、必要な政策が同じとは限りません。すべてを国が一律に決めるより、地域の実情を知る住民と地方公共団体が考える方が、課題に合った解決をしやすくなります。

地方自治には二つの考えがあります。

考え 意味
団体自治 地方公共団体が国から一定の独立性を持って運営する
住民自治 地域の住民の意思にもとづいて運営する

この二つがそろって、地方自治が成り立ちます。

首長と議会を住民が直接選ぶ

地方公共団体では、住民が知事・市町村長と地方議会議員をそれぞれ直接選挙します。国では内閣総理大臣を国会が指名するため、この違いは重要です。

住民 首長 地方議会 直接選挙 直接選挙 抑制・協力

首長は予算案や条例案を提出し、行政を行います。議会はそれを審議し、議決します。条例は地方公共団体が地域のルールとして制定するものです。ただし、法律の範囲内で定めます。

住民の直接請求

住民は選挙以外にも政治に参加できます。一定数の署名を集めることで、条例の制定・改廃、監査、議会の解散、首長や議員の解職などを請求できます。必要な署名数や手続きは請求内容によって異なります。

「民主主義の学校」と呼ばれるのは、身近なごみ処理、学校、防災、福祉などを通して、自分たちで考え、選び、結果を確かめる経験ができるからです。

間違えやすい点

地方自治は「国と無関係に自由にできる制度」ではありません。国との役割分担、法律、財源の制約があります。また、直接請求は請求すれば必ず希望どおりになる制度ではなく、所定の手続きを始める権利です。

確認1:団体自治と住民自治の違いは?団体自治は地方公共団体が国から一定の独立性を持つこと、住民自治は住民の意思にもとづいて地域を運営することです。
確認2:国の内閣総理大臣と地方の首長の選ばれ方の違いは?内閣総理大臣は国会が指名し、地方の首長は住民が直接選挙します。
確認3:条例と法律の関係は?条例は地方公共団体が定める地域のルールで、法律の範囲内で制定されます。

次へ進む前に

「地域の課題」「住民の直接選挙」「首長と議会」「直接請求」の四語を使って地方自治を説明できれば合格です。次は憲法全体を資料問題としてまとめます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。