LESSON 01

石油危機と産業の転換

狂乱物価と買い占めはなぜ起きたのか

原油価格上昇が商品の価格と消費者心理へ波及する仕組みを理解する。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、輸入石油の価格が急上昇した理由を学びました。今回は、原料と輸送の費用が物価へ広がり、なぜトイレットペーパーなどの買い占めまで起きたのかを考えます。次は、物価上昇と景気悪化が高度成長を終わらせた過程へ進みます。

おすすめの学び方

「実際の不足」と「不足するという予想」を分けて読みましょう。ニュースやうわさが人々の行動を変え、その行動が品不足を本当に起こす場合があります。

原油価格から商品の価格へ

石油価格が上がると、工場を動かす費用、材料費、トラックや船で運ぶ費用が上がります。企業がその増加分を商品の価格へ上乗せすると、幅広い物価が上昇します。

価格上昇と買い占めが循環する仕組み 原油価格上昇から商品の値上げ、不安、買い占め、店頭品薄へ進み、さらに不安が強まる関係 原油価格上昇 商品の値上げ 将来への不安 買い占め 店頭で品薄

1973〜74年には物価が急上昇し、「狂乱物価」と呼ばれました。トイレットペーパーをめぐるうわさや不安から、人々が必要以上に買うと、店頭の商品が一時的に減ります。空になった棚を見た別の人も不安になり、買い占めが広がりました。

インフレーションの種類

需要が増えて価格が上がる場合だけでなく、原料費や賃金などの費用が上がって価格が上昇する場合があります。石油危機では、費用上昇型のインフレーションが大きな問題になりました。

見る資料 読み取り
消費者物価指数 家庭が買う商品・サービスの価格変化
原油輸入価格 生産費上昇の出発点
小売店の写真 消費者行動と品不足
新聞記事 当時の不安や情報の広がり

よくある間違い

「買い占めが石油危機の原因」と逆にしないことです。まず国際情勢と原油価格上昇があり、その不安が買い占めを起こしました。ただし、買い占めが品薄を悪化させた面はあります。

確認1:狂乱物価とは?石油危機を背景に、1973〜74年ごろ物価が急上昇した状態です。
確認2:買い占めが品薄を強めるのはなぜ?必要以上に購入する人が増えると、実際の供給量以上に商品が店頭から減り、さらに不安が広がるからです。
確認3:費用上昇型インフレの例は?原油価格の上昇で生産・輸送費が増え、商品の価格が上がることです。

次への接続

原油価格→生産費→物価→不安と買い占め、という順で説明できれば合格です。次は、物価が上がる一方で景気が悪化した理由を学びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。