LESSON 01

表とグラフから発熱を読む

傾きから温度上昇の速さと電力を比べよう

傾きΔT/Δtを計算し、水量や熱損失条件を確認して装置の電力を比較します。

傾きから温度上昇の速さと電力を比べよう

グラフの線が急に見えるかではなく、縦の温度差を横の時間差で割って傾きを求めます。同じ水量・容器・熱損失条件なら、傾きは電力を比べる手がかりになります。

このレッスンの役割

「表とグラフから発熱を読む」の第4段階です。前のレッスンで傾きを入力と放熱の差から説明しました。今回はΔT/Δtを計算し、条件を確認して温まり方と電力を比較します。次へ、目盛りや測定範囲に惑わされる誤答を直す力を渡します。

知る:二点の差から傾きを求める

温度時間グラフの二点から傾きを求める0分20度と4分32度の二点から、温度差12度を時間差4分で割り3度毎分と求める時間(min)温度(℃)Δt=4 minΔT=12℃傾き=12÷4=3℃/min

傾き=温度差÷時間差です。二点の温度そのものを割らず、差を取ります。0分20℃、4分32℃なら、(32−20)÷(4−0)=3℃/分です。

理解する:傾きから電力を比べる条件

水が得る熱量Q=4.2mΔT、入力はPtです。熱損失を無視できる短い範囲なら、ΔT/t=P/(4.2m)です。同じ水量mなら、傾きの比は電力の比に対応します。

装置Aが3℃/分、Bが1.5℃/分で、水量・容器・初期温度などが同じなら、Aの電力はBの約2倍と推定できます。しかしAの水量がBの2倍なら、傾きだけで電力を比べられません。

例で使い、よくある誤答を直そう

同じ100 gの水を使い、最初の3分でAが9℃、Bが6℃上がりました。傾きはAが3℃/分、Bが2℃/分です。同条件なら電力比は3:2と考えられます。

誤答「Aの最終温度が35℃、Bが30℃だから電力比は35:30」は初期温度を無視しています。温度差を使います。「紙の上でAの線の角度が大きい」だけでは、軸の縮尺が異なる可能性があります。

装置 ΔT Δt 傾き
A 9℃ 3 min 3℃/min
B 6℃ 3 min 2℃/min

自分で確かめ、まとめて次へ進もう

確認1:2分で6℃上がるグラフの傾きは?6÷2=3℃/分です。
確認2:同じ水量で傾きが4:2なら、短い範囲の電力比は?熱損失条件も同じなら2:1です。
確認3:水量が違う二グラフを傾きだけで比べてよいですか?いけません。水量が多いほど同じ電力でも温度上昇が小さくなるため、質量も考えます。

傾きはΔT/Δtで求め、電力比較には水量や熱損失条件が同じかを確認します。次は見た目の角度や無理な延長による誤りを修正します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。