効率100%超えと失われたエネルギーの誤解を直そう
効率が120%になったら「とても優れた装置」とは考えません。通常の変換では有用出力は入力を超えないため、式、単位、測定、系の範囲のどこかを点検する合図です。
このレッスンの役割
「エネルギー変換の効率」の第5段階です。前のレッスンで効率を計算しました。今回は100%超え、エネルギーが消えた、高電力なら高効率という三つの誤解を診断し、エネルギー収支へ戻って修正します。次へ、初見の機器比較で検算する力を渡します。
知る:異常値を四か所から点検する
点検順は、①有用÷入力になっているか、②WとJ、分と秒を混ぜていないか、③質量・温度差・V・Iの読み取り、④外部から別のエネルギーが入っていないか、です。
理解する:「損失」は消滅ではない
効率70%なら、30%は目的に使われなかっただけです。熱、音、振動などとして装置や周囲へ移っています。日常では「損失」と呼びますが、エネルギーが失われたという意味ではありません。
また、高電力の装置は速く働く可能性がありますが、入力に対する有用出力の割合が高いとは限りません。速さと割合を分けます。
例で使い、よくある誤答を直そう
入力5000 J、水の受熱6000 Jと計算されたとします。まず温度上昇に最終温度を使っていないか、水量のg換算、通電時間の秒換算を点検します。加熱前から温かい容器など外部の熱を有用出力へ数えていないかも見ます。
誤答「効率が低い分のエネルギーは消えた」は、容器や周囲を系から外しています。修正文は「目的に使われなかった分も、容器や周囲の内部エネルギーなどへ移った」です。
自分で確かめ、まとめて次へ進もう
確認1:効率が100%を超えたら最初に何を見ますか?
分子と分母が有用出力÷入力になっているかを確認します。確認2:効率70%の残り30%は消えましたか?
消えていません。目的以外の熱、音、振動などへ変換・移動しています。確認3:1000 Wの装置は500 Wの装置より必ず高効率ですか?
必ずではありません。Wは変換の速さで、効率は有用出力の割合です。異常値はエネルギー保存に戻り、式・単位・測定・系を点検します。次は複数機器を速さ、消費量、効率に分けて比較します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。