各電熱線と回路全体の電力を計算して比べよう
直列・並列の計算では、「今求めた電力は一本分か、回路全体か」を毎回書くと混乱を防げます。各電熱線の電力を足せば、回路全体が一秒あたりに使う電気エネルギーになります。
このレッスンの役割
「電熱線の直列・並列接続」の第4段階です。前のレッスンで、接続から各電熱線のVとIを説明しました。今回はP=VIとQ=Ptを使い、一本分と全体の電力・熱量を数値で比較します。次へ、電流だけで発熱を判断する誤りを直す力を渡します。
知る:部分から全体へ計算する
計算の順序は、①各電熱線のVとI、②一本分のP=VI、③各電力の和で全体P、④Q=Ptです。電力の単位WはJ/sなので、時間を秒にそろえると熱量はJになります。
理解する:12 Vと12 Ω二本の例
直列では合成抵抗が24 Ω、回路電流は12÷24=0.5 Aです。各電熱線の電圧は6 Vなので、一本分の電力は6×0.5=3 W。二本分の全体電力は6 Wです。
並列では各電熱線に12 Vが加わります。各枝の電流は12÷12=1 A、一本分の電力は12×1=12 W。二本分の全体電力は24 Wです。
120秒通電すると、直列は6×120=720 J、並列は24×120=2880 Jです。並列は直列の4倍ですが、これは同じ12 Ω二本を同じ12 V電源へつないだ結果です。
例で使い、よくある誤答を直そう
| 接続 | 一本分のP | 全体P | 120秒のQ |
|---|---|---|---|
| 直列 | 3 W | 6 W | 720 J |
| 並列 | 12 W | 24 W | 2880 J |
誤答「並列は一本12 Wだから全体も12 W」は、二本分を足していません。誤答「直列の各電熱線へ回路全体の0.5 Aではなく半分の0.25 Aが流れる」は、直列回路の電流がどこでも同じという規則に反します。
検算では、各電熱線の電圧の和、枝電流の和、各電力の和を確認します。答えの単位も、PならW、QならJです。
自分で確かめ、まとめて次へ進もう
確認1:直列回路の一本分の電力は何Wですか?
6 V×0.5 A=3 Wです。確認2:並列回路全体の電力は何Wですか?
一本12 Wが二本なので24 Wです。確認3:並列を60秒使った熱量は何Jですか?
24 W×60 s=1440 Jです。W=J/sなので単位はJになります。一本分と全体を区別し、P=VIから全体Pを作り、Q=Ptへ進みます。次は、もっともらしい誤答がどの段階で生まれたかを見抜きます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。