グラフの傾きと熱損失をエネルギーで説明しよう
加熱中の温度グラフがだんだん水平に近づくことがあります。電熱線が急に弱くなったとは限りません。水へ入る熱と周囲へ出る熱の差が小さくなった可能性があります。
このレッスンの役割
「表とグラフから発熱を読む」の第3段階です。前のレッスンで測定点から正しいグラフを作りました。今回は傾きを温まり方の速さとして読み、入力・水の受熱・周囲への放熱で形を説明します。次へ、傾きを数値で比較する意味を渡します。
知る:傾きは一定時間あたりの温度上昇
傾きが大きい区間は、同じ時間に温度が大きく上がります。傾きが小さい区間は温まり方が遅いことを示します。傾きそのものは温度ではなく、温度上昇÷時間です。
理解する:入力と放熱の差が水を温める
電熱線から一定の電力が供給されても、その全てが水の温度上昇に使われるとは限りません。水や容器から周囲へ熱が移ります。
初めは水と周囲の温度差が小さく、放熱が比較的小さいため、入力の多くが水・容器の温度上昇に使われます。温度が高くなると周囲との温度差が大きくなり、放熱が増える場合があります。すると正味に蓄えられる熱が小さくなり、グラフの傾きも小さくなります。
例で使い、よくある誤答を直そう
0〜2分で8℃、8〜10分で2℃上がったとします。傾きはそれぞれ4℃/分と1℃/分です。後半も温度は上がっていますが、温まり方は遅くなっています。
誤答「グラフが水平なら電力は必ず0 W」は不十分です。入力と同じ割合で周囲へ熱が出れば、温度が一定でも入力は続いていることがあります。「放熱はいつも一定」も、温度差などの条件を無視しています。
自分で確かめ、まとめて次へ進もう
確認1:温度グラフの傾きは何を表しますか?
一定時間あたりの温度上昇、つまり温まり方の速さです。確認2:一定電力でも傾きが小さくなる理由の候補は?
温度が上がって周囲への放熱が増え、水・容器へ正味に蓄えられる熱が減ることです。確認3:温度が一定なら入力電力は必ず0ですか?
必ずではありません。入力と放熱がつり合って温度が一定の場合があります。傾きは正味の温まり方を示し、入力と放熱の差で変化します。次は傾きを計算し、条件がそろった装置の電力を比べます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。