LESSON 01

エネルギー変換の効率

入力したエネルギーはすべて目的に使われるのか考えよう

入力エネルギーを目的の出力とその他の出力へ分け、変換効率を考える問いを作ります。

入力したエネルギーはすべて目的に使われるのか考えよう

電気ケトルの目的は水を温めることですが、容器や周囲の空気も温まります。入力した電気エネルギーは消えていません。ただし、すべてが目的の働きへ変わったわけでもありません。

このレッスンの役割

「エネルギー変換の効率」の第1段階です。前のセクションまでに、入力電気エネルギーPtと水が得た熱4.2mΔTを求めました。今回は入力、目的に使われた出力、その他の出力を区別し、変換効率を調べる問いを作ります。次へ、二つのエネルギーを測る実験を渡します。

知る:入力の行き先を分ける

電気ケトルへ入ったエネルギーの行き先入力した電気エネルギーが水を温める有用な出力と容器や周囲を温めるその他の出力へ分かれる入力電気エネルギー目的の出力水が得た熱その他の出力容器・空気などが得た熱入力=目的の出力+その他の出力

入力は装置へ入るエネルギーです。目的の出力は、使う人が得たい働きに変わったエネルギーです。その他の出力は目的以外へ移ったエネルギーで、熱、音、光などとして周囲へ広がります。

理解する:効率は「目的へ進んだ割合」

同じ1000 Jを入力しても、水へ900 J移る装置と600 J移る装置では、前者の方が水を温める目的には効率的です。残りの100 Jや400 Jも消えたのではなく、容器や空気などへ移りました。

「有用かどうか」は目的で変わります。電熱器では熱が有用ですが、モーターでは回転が有用で、発生した熱はその他の出力です。効率はエネルギーが存在する割合ではなく、目的の出力になった割合です。

例で使い、よくある誤答を直そう

電球へ100 Jを入力し、光20 J、熱80 Jへ変わったとします。照明としては光20 Jが有用です。一方、保温に使う特別な装置なら、熱を目的に含める場合があります。

誤答「効率が20%なら残り80%のエネルギーは消えた」はエネルギー保存に反します。「高電力の器具は効率が高い」も不十分です。電力は変換の速さ、効率は入力のうち目的へ進んだ割合です。

自分で確かめ、まとめて次へ進もう

確認1:電気ケトルで目的の出力は何ですか?水が得た熱です。容器や周囲が得た熱は、この目的ではその他の出力です。
確認2:効率が100%未満でもエネルギー保存に反しないのはなぜですか?目的に使われなかった分も消えず、別の形で容器や周囲などへ移るからです。
確認3:電力と効率は同じですか?違います。電力は一秒あたりのエネルギー変換量、効率は入力に対する目的の出力の割合です。

入力を目的の出力とその他の出力へ分けることが、効率理解の出発点です。次は両方のエネルギーを実験で測ります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。