LESSON 01

電熱線の直列・並列接続

初見の電熱線回路から温度上昇を予測しよう

初見回路をV・I、電力、熱量、水の温度上昇の順に読み解き、時間や水量が違う条件へ転用します。

初見の電熱線回路から温度上昇を予測しよう

入試では、並列の方が高電力でも、通電時間や水量を変えて単純比較できない問題が出ます。接続名だけで答えず、回路→電力→熱量→温度上昇の順に情報をつなぎます。

このレッスンの役割

「電熱線の直列・並列接続」の第6段階です。これまでに公平な実験、各部のV・I、一本分と全体のP・Q、誤答修正を学びました。今回は初見資料から必要な量を選び、温度上昇まで予測します。次の「抵抗値と電力の関係」へ、条件を明示して電力を比較する力を渡します。

知る:四段階で初見問題をほどく

電熱線回路から水の温度上昇まで予測する四段階接続から電圧と電流を求め、電力、熱量、水の温度上昇の順に計算する1 回路各部のV・I2 電力P全体=ΣVI3 熱量Q=Pt4 温度上昇ΔT=Q÷4.2m条件と単位を各段階で確認する

四段階は、①回路規則で各部のV・I、②P=VIを足して全体電力、③Q=Ptで一定時間の熱量、④水のQ=4.2mΔTで温度上昇、です。問題が途中の量だけを求めるなら、そこで止めます。

理解する:高電力でも温度上昇が大きいとは限らない

同じ6 Ωの電熱線二本と6 V電源を使います。装置Aは直列で100 gの水を300秒、装置Bは並列で200 gの水を60秒温めます。容器や熱損失の割合は同じで、まず全電気エネルギーが水へ移る理想条件を考えます。

装置Aの全体電力は3 WなのでQ=3×300=900 J。装置Bは12 WなのでQ=12×60=720 Jです。Bの電力は大きくても、時間が短いため得る熱量はAより小さくなります。

さらにΔT=Q÷(4.2m)より、Aは900÷420≒2.1℃、Bは720÷840≒0.86℃です。Bは水量も多いため、温度上昇はさらに小さくなります。

例で使い、よくある誤答を直そう

装置 接続 全体P 時間 水量 理想的なΔT
A 直列 3 W 300 s 100 g 約2.1℃
B 並列 12 W 60 s 200 g 約0.86℃

誤答「並列のBは電力が4倍だから温度上昇も4倍」は、時間と水量を無視しています。別の誤答「900 Jはそのまま2.1℃」は、熱量Jと温度℃を同じ量として扱っています。

実際の実験では、電熱線・容器・周囲にも熱が移るため、測定した温度上昇は理想計算より小さくなります。比較には「装置と熱損失の条件が同程度」という前提も必要です。

自分で確かめ、まとめて次へ進もう

確認1:装置AとBの熱量はそれぞれ何Jですか?Aは3 W×300 s=900 J、Bは12 W×60 s=720 Jです。
確認2:高電力のBの温度上昇が小さい理由を二つ挙げられますか?通電時間が短く総熱量が小さいことと、水量が多く同じ1℃上げるのに多くの熱が必要なことです。
確認3:新しい回路で最初に何をしますか?接続を読み、各電熱線の電圧と電流を回路規則から求めます。その後に電力、熱量、温度上昇へ進みます。

接続名だけで予想せず、回路→P→Q→ΔTを必要なところまでたどります。次は「一定電圧か一定電流か」を区別し、抵抗値と電力の関係を考えます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。