LESSON 01

発熱実験の誤差を考える

ずれの割合と改善効果を数値で比べよう

理論値との差と相対的なずれを求め、改善前後の平均・ばらつき・受熱割合を比較します。

ずれの割合と改善効果を数値で比べよう

差が100 Jでも、理論値500 Jに対する100 Jと、理論値5000 Jに対する100 Jでは重みが違います。異なる大きさの実験を比べるときは、差を理論値に対する割合へ直します。

このレッスンの役割

「発熱実験の誤差を考える」の第4段階です。前のレッスンで入力と水・容器・周囲のエネルギー収支を描きました。今回は差、相対的なずれ、入力に対する水の受熱割合を計算し、改善前後を数値で比べます。次へ、数値の向きから原因候補を診断する力を渡します。

知る:差と割合を役割で使い分ける

理論値と測定値の差とずれの割合理論5000ジュール、測定4000ジュールから差1000ジュール、理論に対するずれ20パーセントを求める差の大きさ5000−4000=1000 Jずれの割合1000÷5000×100=20%割合の基準は比較したい理論値

差=|測定値−理論値|です。ずれの割合=差÷理論値×100とすれば、実験全体の大きさに対するずれを比べられます。目的が「入力の何%を水が受け取ったか」ならQwater÷Pt×100を使います。二つの割合は問いが違います。

理解する:改善は平均とばらつきの両方で見る

断熱なし三回が水の受熱割合62%、65%、63%、断熱ありが74%、75%、76%なら、平均は約63%から75%へ上がっています。範囲も3ポイントから2ポイントで、大きなばらつきは増えていません。

平均だけが理論値に近くても、一回ごとの値が40%、80%、70%のように広く散っていれば、測定手順の安定性を見直します。改善とは値を大きくすることだけでなく、同じ条件で再現しやすくすることも含みます。

例で使い、よくある誤答を直そう

実験Aは理論5000 J、測定4000 Jなので差1000 J、ずれ20%。実験Bは理論1000 J、測定700 Jなので差300 Jですが、ずれ30%です。差はAが大きくても、相対的なずれはBが大きいです。

誤答「差だけが小さいBの方が正確」は基準の大きさを無視しています。「差÷測定値」とすると別の割合になるため、比較基準として理論値を分母に置くことを明示します。

自分で確かめ、まとめて次へ進もう

確認1:理論2000 J、測定1700 Jの差は?|1700−2000|=300 Jです。
確認2:そのずれの割合は?300÷2000×100=15%です。
確認3:差1000 J/理論5000 Jと差300 J/理論1000 Jではどちらの相対的なずれが大きいですか?後者です。20%に対して30%だからです。

差は絶対量、差÷理論値は相対的なずれです。平均とばらつきも合わせて改善を判断します。次は数値だけから原因を一つに決める誤りを直します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。