LESSON 01

冬の太平洋側の天気

下降する空気が乾いて晴れをもたらす仕組みを説明しよう

山越え後の空気が下降・圧縮・昇温し、相対湿度が下がって雲が消えやすくなる仕組みを学びます。

下降する空気が乾いて晴れをもたらす仕組みを説明しよう

まず知る:このレッスンの役割と下降時の変化

このレッスンは6レッスンの3番目です。前のレッスンで、空気が日本海側の降雪によって水分を減らすところまで追いました。ここでは、山を越えて下降する空気がなぜさらに乾燥し、雲が消えやすくなるのかを理解します。

山を下る空気は、低い高度へ進むほど周囲の気圧が高くなるため圧縮され、温度が上がります。気温が上がると飽和水蒸気量は増えます。一方、空気中の水蒸気量が急に増えるわけではないため、相対湿度は下がります。その結果、雲粒が蒸発しやすくなり、太平洋側では晴れて乾燥しやすくなります。

下降時の変化 直接起こること 天気へのつながり
周囲の気圧が高くなる 空気が圧縮される 気温が上がる
気温が上がる 飽和水蒸気量が増える 相対湿度が下がる
相対湿度が下がる 雲粒が蒸発しやすい 晴れ・乾燥になりやすい

理解する:例題で相対湿度の変化を読む

山を越えて下降する空気の圧縮・昇温・乾燥山頂から太平洋側へ下降する空気が圧縮され、気温上昇と飽和水蒸気量増加によって相対湿度を下げる流れ。低温高湿度昇温低湿度下降→圧縮→気温上昇水分は風上で減少済み下降中に相対湿度が低下太平洋側:雲が消えやすい

例題として、空気1 m³に実際の水蒸気が6 g含まれ、ある温度での飽和水蒸気量が8 g/m³なら、相対湿度は6÷8×100=75%です。下降して気温が上がり、飽和水蒸気量が12 g/m³になったとします。水蒸気量を簡単のため6 gのままとすると、相対湿度は6÷12×100=50%へ下がります。気温上昇が「水を消した」のではなく、飽和までの余裕が大きくなったのです。

使う:練習で誤答と因果の飛躍を直す

よくある誤答は「空気が下降すると水蒸気がなくなる」です。下降前に降雪で水分を減らしていますが、下降そのものが水蒸気を消すわけではありません。下降→圧縮→昇温→飽和水蒸気量増加→相対湿度低下、という順序を書きます。

また「気温が上がれば必ず晴れ」でもありません。別の低気圧や前線から新たに湿った空気が入れば雲はできます。ここで説明しているのは、冬型の北西季節風が山を越える条件で、晴れやすくなる仕組みです。

転用する:まとめと観測データへつなぐ

太平洋側の乾燥は、水分を風上で失うことと、風下で下降・昇温して相対湿度が下がることの二段構えです。この説明は、山の風下で乾いた風が吹く別の地域にも使えます。次は降水量・湿度・日照時間の実際のデータで確かめます。

確認1:下降する空気の温度が上がるのはなぜですか。低い高度ほど周囲の気圧が高く、空気が圧縮されるためです。
確認2:気温上昇で相対湿度が下がるのはなぜですか。飽和水蒸気量が増え、実際の水蒸気量が同じなら飽和に対する割合が小さくなるからです。
確認3:下降すると水蒸気が消えますか。消えません。風上で水分を一部失い、下降・昇温によって相対湿度がさらに下がります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。