LESSON 01

冬の西高東低と季節風

大陸の寒気が日本海で水蒸気を得る仕組みを説明しよう

冷たく乾いた大陸の空気が、日本海上で熱と水蒸気を受け取り雪雲を発達させる過程を学びます。

大陸の寒気が日本海で水蒸気を得る仕組みを説明しよう

まず知る:このレッスンの役割と空気の出発点

このレッスンは6レッスンの2番目です。前のレッスンで読んだ北西季節風を、「日本海側の雪」へつなぐ途中の変化を理解します。シベリア付近でできる空気は冷たく乾いています。しかし、そのままの性質で日本へ届くわけではありません。

冬の日本海の海面は、シベリアから流れ出す寒気より相対的に暖かいことがあります。すると海面から空気へ熱が移り、水面から蒸発した水が水蒸気として空気へ加わります。大切なのは「日本海が暖かい」ではなく、「上を通る寒気と比べて海面の方が暖かい」という温度差です。

場所 空気の状態 起こる変化
大陸を出るとき 冷たい・乾燥 北西季節風として流れ出す
日本海上 海面よりかなり冷たい 海から熱と水蒸気を受け取る
日本列島の手前 下層が暖まり湿る 上昇しやすく、雲が発達する

理解する:例題で熱と水蒸気の移動を追う

寒気が日本海から熱と水蒸気を受け取る流れ冷たく乾いた空気が相対的に暖かい日本海上を進み、熱と水蒸気を受け取って雲を発達させる模式図。大陸冷たい・乾燥日本海北西季節風海から熱+水蒸気雲が発達

例題で、寒気の温度が−10℃、日本海の海面水温が10℃だとします。海面の方が20℃高いため、下から空気を暖めます。同時に水が蒸発して空気中の水蒸気が増えます。下層が暖かく上層に冷たい空気がある状態では、暖められた空気が上昇しやすくなります。上昇した空気が冷えると水蒸気が凝結し、雲粒や氷の粒になります。これが雪雲の材料と上昇のきっかけです。

使う:練習で因果の鎖を完成させ、誤答を直す

説明するときは「寒気が日本海を通る→海から熱と水蒸気を受け取る→下層が暖まり湿る→空気が上昇し、雲が発達する」と矢印でつなぎます。途中を飛ばして「日本海が雪を作る」と書くと、海水が直接雪になるように読めてしまいます。

別の海域でも、冷たい空気が相対的に暖かい水面を長く通れば、似た雲の列ができることがあります。海面と空気の温度差、風が海上を進む距離、水蒸気の供給という条件を見れば、名称を知らない場所でも予測できます。

転用する:まとめと山地での上昇へつなぐ

冷たい空気でも水蒸気を含めます。「冷たいから水蒸気がゼロ」ではありません。日本海上で熱と水蒸気を得た空気は雪雲を発達させますが、どこで大量の雪を降らせるかには地形が関係します。次は、山地にぶつかった空気の上昇と冷却を追います。

確認1:寒気が日本海上で受け取る二つのものは何ですか。海面からの熱と、水面から蒸発した水蒸気です。
確認2:「日本海が暖かい」とだけ言うと不十分なのはなぜですか。絶対的に暖かいという意味ではなく、流れ込む寒気より海面が相対的に暖かいことが重要だからです。
確認3:海水がそのまま雪になるのですか。いいえ。海水が蒸発して水蒸気となり、上昇・冷却・凝結を経て雲粒や氷の粒になります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。