山を越える前に空気が水分を失う流れを追おう
まず知る:このレッスンの役割と水分収支
このレッスンは6レッスンの2番目です。前のレッスンで見つけた地域差を、「空気に入る水分」と「空気から出る水分」で説明します。空気の移動を一つの容器に見立て、どこで水蒸気を得て、どこで雨や雪として失うかを追います。
大陸を出た寒気は乾いています。日本海上で蒸発した水を水蒸気として受け取り、その後、日本海側の山地で上昇・冷却します。水蒸気が凝結して雲粒や氷の粒になり、雪として落ちると、山頂を越える空気に残る水分は出発時より少なくなります。完全にゼロではありませんが、水分収支は減少します。
| 区間 | 水分の出入り | 空気の変化 |
|---|---|---|
| 大陸→日本海 | まだ少ない | 冷たく乾いている |
| 日本海上 | 蒸発により水蒸気が入る | 湿り、雲が発達しやすい |
| 日本海側斜面 | 雪や雨として水が出る | 山頂を越えるころ水分が減る |
理解する:例題で入る量と出る量を図にする
例題として、空気に含まれる水分を便宜上「大陸で2、日本海から8を得て、日本海側の降雪で7を失う」と表します。山頂を越える時点では3が残ります。実際の大気をこの単純な数だけで計算するわけではありませんが、「海で増える」「降水で減る」という向きを理解するモデルになります。
使う:練習で山の壁という誤答を直す
「山が雲を止めるから太平洋側は晴れる」という説明は、雲を固い物体のように扱っています。実際には、湿った空気が上昇して冷え、凝結した水が降雪として空気から取り除かれます。山は単なる壁ではなく、上昇を起こす地形です。
風向が逆なら、同じ斜面が風下になることもあります。だから「この県はいつも風上」と覚えず、天気図の風向を先に読み、風が最初に当たる斜面を決めます。
転用する:まとめと下降する空気へつなぐ
水分収支は「日本海で入る→日本海側の雪で出る→少ない状態で山越え」です。ただし、水分が減っただけでは雲が消える過程はまだ完成しません。次は山を越えた空気が下降し、圧縮されて暖まり、相対湿度が下がる仕組みを学びます。
確認1:季節風の水分はどこで増えますか。
日本海上で、海面から蒸発した水が水蒸気として加わります。確認2:山頂を越える前に水分が減るのはなぜですか。
風上斜面で上昇・冷却し、水蒸気が凝結して雪や雨として空気から出るからです。確認3:山は雲を物理的に止める壁ですか。
いいえ。山地が空気を上昇させ、冷却・凝結・降水を起こすことで水分が減ります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。