LESSON 01

冬の太平洋側の天気

山を越える前に空気が水分を失う流れを追おう

日本海から水蒸気を得た空気が風上斜面で上昇・凝結・降雪し、水分を減らす流れを理解します。

山を越える前に空気が水分を失う流れを追おう

まず知る:このレッスンの役割と水分収支

このレッスンは6レッスンの2番目です。前のレッスンで見つけた地域差を、「空気に入る水分」と「空気から出る水分」で説明します。空気の移動を一つの容器に見立て、どこで水蒸気を得て、どこで雨や雪として失うかを追います。

大陸を出た寒気は乾いています。日本海上で蒸発した水を水蒸気として受け取り、その後、日本海側の山地で上昇・冷却します。水蒸気が凝結して雲粒や氷の粒になり、雪として落ちると、山頂を越える空気に残る水分は出発時より少なくなります。完全にゼロではありませんが、水分収支は減少します。

区間 水分の出入り 空気の変化
大陸→日本海 まだ少ない 冷たく乾いている
日本海上 蒸発により水蒸気が入る 湿り、雲が発達しやすい
日本海側斜面 雪や雨として水が出る 山頂を越えるころ水分が減る

理解する:例題で入る量と出る量を図にする

季節風の水分収支乾いた空気が日本海で水蒸気を受け取り、日本海側で雪として水分を失ってから山頂を越える流れ。大陸の寒気水分:少日本海上水蒸気が加わる日本海側斜面雪として水分が出る水分が少ない空気が山越え

例題として、空気に含まれる水分を便宜上「大陸で2、日本海から8を得て、日本海側の降雪で7を失う」と表します。山頂を越える時点では3が残ります。実際の大気をこの単純な数だけで計算するわけではありませんが、「海で増える」「降水で減る」という向きを理解するモデルになります。

使う:練習で山の壁という誤答を直す

「山が雲を止めるから太平洋側は晴れる」という説明は、雲を固い物体のように扱っています。実際には、湿った空気が上昇して冷え、凝結した水が降雪として空気から取り除かれます。山は単なる壁ではなく、上昇を起こす地形です。

風向が逆なら、同じ斜面が風下になることもあります。だから「この県はいつも風上」と覚えず、天気図の風向を先に読み、風が最初に当たる斜面を決めます。

転用する:まとめと下降する空気へつなぐ

水分収支は「日本海で入る→日本海側の雪で出る→少ない状態で山越え」です。ただし、水分が減っただけでは雲が消える過程はまだ完成しません。次は山を越えた空気が下降し、圧縮されて暖まり、相対湿度が下がる仕組みを学びます。

確認1:季節風の水分はどこで増えますか。日本海上で、海面から蒸発した水が水蒸気として加わります。
確認2:山頂を越える前に水分が減るのはなぜですか。風上斜面で上昇・冷却し、水蒸気が凝結して雪や雨として空気から出るからです。
確認3:山は雲を物理的に止める壁ですか。いいえ。山地が空気を上昇させ、冷却・凝結・降水を起こすことで水分が減ります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。