このレッスンは「堆積岩を見分けよう」セクションの3番目です。前のレッスンでは、標本を安全に同じ基準で観察しました。今回は、観察した粒・成分・反応が、岩石のでき方とどうつながるかを説明します。
- 前から受け取る力:標本の特徴を事実として記録し、複数の候補を残す力
- このレッスンの中心:堆積した物質が押し固められ、粒の間が固まって堆積岩になる道筋を説明する力
- 次へ渡す力:観察データと分類表を照合し、岩石名を根拠つきで判定する力
まず知る
堆積岩は、地表付近で物質が積もり、長い時間をかけて固まった岩石です。材料によって、代表的な道筋を三つに分けられます。
| 材料のまとまり | 材料の例 | できる代表的な岩石 |
|---|---|---|
| 岩石が砕かれた粒 | れき・砂・泥 | れき岩・砂岩・泥岩 |
| 火山から出た物質 | 火山灰・軽石片など | 凝灰岩 |
| 生物由来などの物質 | 殻や骨格をつくる炭酸カルシウム・二酸化ケイ素など | 石灰岩・チャートの一部 |
堆積物が積み重なると、上に重なる物質の重さで下の堆積物が押されます。水がしぼり出され、粒の間を鉱物などが埋めて固めることで、ばらばらだった粒が岩石になります。
この図は代表的な道筋を整理したものです。石灰岩やチャートには、生物の遺がいが集まってできるもののほか、化学的に成分が沈殿してできるものもあります。
理解する
岩石の特徴は、でき方の記録です。
れき岩・砂岩・泥岩では、もとの粒の大きさが残ります。大きな丸い粒が集まっていれば、流水で運ばれたれきが堆積した可能性があります。砂粒が見えれば砂岩、一粒を見分けにくい細かな粒が中心なら泥岩を考えます。
凝灰岩は火山灰などが堆積して固まります。材料は火山から来ますが、岩石になる直前の過程は「マグマがその場で冷える」のではなく、「火山噴出物が積もって固まる」です。このため堆積岩に分類します。
石灰岩は炭酸カルシウムを多く含みます。サンゴや貝などの殻・骨格が集まってできるものもあり、薄い塩酸で二酸化炭素の泡を出すことが重要な手がかりです。
チャートは二酸化ケイ素を多く含み、放散虫など微小な生物の殻が関係するものがあります。粒が非常に細かく、かたいことが多く、薄い塩酸では石灰岩のように発泡しません。
「押し固められる」とは、粒そのものが必ず別の物質へ変わることではありません。粒の並びが密になり、すき間の水が減り、粒の間が固まることです。だから堆積岩には、もとの粒や化石などが残ることがあります。
使う
観察した特徴を、でき方へ戻して説明します。
例1: 「標本Aには直径3〜10 mmの丸い粒が多い。」
説明: 「流水で運ばれたれきが堆積し、押し固められて粒の間が固まったと考えられるため、れき岩の候補である。」
例2: 「標本Bには火山灰らしい細粒と軽石片があり、層の中に広く続く。」
説明: 「火山噴出物が広い範囲に降り積もり、固まった可能性があるため、凝灰岩の候補である。」
例3: 「標本Cは細粒で、教師が薄い塩酸を付けると発泡した。」
説明: 「炭酸カルシウムを多く含む物質が堆積して固まった可能性があり、石灰岩の候補である。」
例4: 「標本Dは細粒でかたく、薄い塩酸で発泡しない。」
説明: 「二酸化ケイ素を多く含むチャートの特徴と合う。ただし、硬さや反応以外の資料も確認して候補を絞る。」
理解チェック1:直接確認
れき・砂・泥が堆積して固まると、それぞれ何という岩石になりますか。
答え:れき岩、砂岩、泥岩です。もとの粒径の違いが岩石にも残ります。
理解チェック2:誤解を直す
「凝灰岩はマグマが冷えて固まった岩石である」という説明を直してください。
答え:凝灰岩は、噴火で出た火山灰などが堆積し、固まった堆積岩です。マグマが直接冷えて固まる火成岩とは過程が違います。
理解チェック3:初見へ転用
細粒の二つの岩石のうち、一方は薄い塩酸で発泡し、もう一方は非常にかたく発泡しません。でき方と成分から候補を答えてください。
答え:発泡する方は炭酸カルシウムを多く含む石灰岩、かたく発泡しない方は二酸化ケイ素を多く含むチャートの候補です。
転用する
未知の堆積岩を説明するときは、次の順にします。
- 観察した粒・成分・反応を事実として書く
- その特徴をつくった材料を考える
- どこかに堆積したことを示す
- 押し固められ、粒の間が固まった道筋を説明する
- 岩石名の候補を挙げる
- 似た候補を区別する追加観察を示す
次のレッスンでは、六つの岩石について与えられた粒径、火山灰粒、化石、塩酸反応、硬さのデータを分類表へ当てはめます。でき方を理解していれば、特徴を丸暗記せず、どの手がかりを優先するか判断できます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。