このレッスンは「地層が重なる基本原理」セクションの4番目です。前のレッスンで、地層累重の法則とその条件を学びました。今回は、柱状図の凡例・標高・上下を読み、同じ地点や「同じ層だと資料で示された」離れた地点の相対年代を判断します。
- 前から受け取る力:大きな乱れのない堆積層では、下ほど古いと条件つきで説明する力
- このレッスンの中心:柱状図の層序と標高を混同せず、地層の相対的新旧を読む力
- 次へ渡す力:標高・層厚・画面上下を年代と直結する誤答を修正する力
まず知る
柱状図は、ある地点の地層を下から上へ並べ、岩石の種類や厚さを示した図です。
読む順序:
- 柱状図の上・下と標高の目盛りを確認する
- 凡例で砂岩・泥岩・凝灰岩などの模様を確認する
- 断層、逆転、不整合などの注意書きを探す
- 同じ地点では、下から上への層序を読む
- 離れた地点では、問題文が同じだと示す層を基準にする
- 標高の高低と地層内の上下を分ける
標高とは海面を0 mとした土地の高さです。標高が高いから新しい、低いから古いという規則はありません。土地の隆起・沈降、侵食、地層の傾きによって、同じ地層が別の標高に現れることがあります。
この図では、凝灰岩Tが同じ層だと問題文で示されています。その判断方法そのものは、後の「離れた地層を対比しよう」で詳しく学びます。ここでは、対応が与えられた後の新旧を読みます。
理解する
柱状図の上下は、地層内の重なりを示します。一方、標高は地球上の高さです。この二つは別です。
地点Xの凝灰岩Tは約140 m、地点YのTは約95 mにあります。同じ層が違う標高に見えるので、「標高が高いXのTが新しい」とは言えません。同じ層なら同じ時期の出来事を示すと考えます。
大きな乱れがない場合:
- Tより下の地層はTより古い
- Tより上の地層はTより新しい
- XのTとYのTは、資料で同じ層と確認されているため相対的に同じ時期
しかし、離れた地点の「同じ色の層」を勝手に同じ層としません。岩石の種類、火山灰の特徴、化石、層の順序など、対比の証拠が必要です。
また、厚さも直接年代を示しません。Xの砂岩層が30 m、Yの砂岩層が25 mでも、「Xは5百万年長い」とは言えません。堆積速度、侵食、場所による供給量の差があるからです。
柱状図が途中で欠けている場合、見えていない層がないとは限りません。「資料にない」と「実際に存在しない」を区別します。
使う
資料:
- 地点A:下から、れき岩P、砂岩Q、凝灰岩T、泥岩R
- 地点B:下から、砂岩U、凝灰岩T、泥岩V、砂岩W
- Tは同じ噴火による凝灰岩層で、大きな乱れはない
問い1:地点Aで最も古い層は何か。
答え:れき岩P。地点Aの最下部であり、乱れのない堆積層だから。
問い2:地点BでTより新しい層は何か。
答え:泥岩Vと砂岩W。Tより上に重なるから。
問い3:地点AのRと地点BのUはどちらが新しいか。
判断: RはTより上なのでTより新しい。UはTより下なのでTより古い。したがってRがUより新しい。
問い4:地点AのQと地点BのUはどちらが古いか。
判断: どちらもTより下なのでTより古いことは分かる。しかし、この資料だけではQとUどうしの順序は決められない。さらに対応する層や化石などが必要。
理解チェック1:直接確認
同じ柱状図で、層Bが層Aの上にあり、大きな乱れがありません。どちらが新しいですか。
答え:Bです。後からAの上へ堆積したと考えられます。
理解チェック2:誤解を直す
「標高150 mの砂岩は、標高80 mの泥岩より必ず新しい」という説明の問題点は何ですか。
答え:標高と地層内の上下を混同しています。二地点の層の対応、傾き、乱れを確認しなければ新旧は決められません。
理解チェック3:初見へ転用
二地点で同じ凝灰岩Tより下にある層XとYの新旧を、XとYどうしで決められますか。
答え:Tより古いことはどちらも分かりますが、XとYどうしの順序は追加の対応資料がなければ決められない場合があります。
転用する
柱状図問題では、次の順に印を付けます。
- 凡例と標高の単位
- 各地点の下から上の層序
- 乱れの有無
- 問題文で同じと確認された層
- 基準層より下か上か
- 確実に言える新旧
- 資料だけでは決められない組合せ
次のレッスンでは、「下なら必ず古い」「厚いほど古い」「標高が高いほど新しい」という誤答を直します。原理そのものではなく、適用条件・層序・証拠の不足へ戻って修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。