LESSON 01

離れた地層を対比しよう

標高の違う柱状図を同じ基準へそろえて並べよう

「離れた地層を対比しよう」第4段階。地表標高と深度を同じ標高基準へ換算し、かぎ層をそろえて連続・傾き・欠失候補を読む。

標高の違う柱状図を同じ基準へそろえて並べよう

まず知る

このレッスンの役割と到達目標

このレッスンは「離れた地層を対比しよう」6レッスン中の4番目です。前のレッスンでは、岩相・化石・かぎ層が答える問いを分けました。今回は、地表の標高や掘削深度が違う柱状図を、同じかぎ層へそろえて並べます。ここができると、次に「紙面で同じ高さなら同じ標高」「同じ層なら厚さも同じ」という誤答を直せます。

中心技能は、各柱状図の標高・深さ・層厚の基準を確認し、同じかぎ層を一本の基準線へそろえて、上下の地層の連続・欠失候補を読むことです。紙の上の位置ではなく、資料に書かれた数値と凡例を使います。

柱状図には二つの描き方があります。

  • 標高柱状図:各層が海面から何mの高さにあるか示す。
  • 深度柱状図:地表や掘削開始点から何m下にあるか示す。

深度から標高を求める基本は、地層の標高 = 地表の標高 - 深度 です。たとえば標高150 mの地表から30 m掘った位置は、標高120 mです。ただし、斜め掘りや地層の傾きがある場合は資料の条件を確認します。

標高の違う三地点の柱状図を火山灰かぎ層でそろえる地点A、B、Cは紙面上の開始位置と地表標高が違うが、同じ火山灰層Kを破線の基準線へそろえると、その上下の砂岩・泥岩の厚さと欠失候補を比較できる。同じ火山灰Kを基準線へそろえる地点A 地表180 m地点B 地表145 m地点C 地表210 mKKK泥岩泥岩泥岩砂岩砂岩砂岩そろえた後に、層厚の変化・欠け・上下の並びを比較する

図では地表標高が違っても、Kを同じ時期の基準面としてそろえています。Kの上下で泥岩・砂岩の厚さが横方向へ変わることが分かります。

理解する

最初に、柱状図の単位と基準を読みます。地表からの深度を標高と思い込むと、上下が逆になります。地点Aの地表が標高180 m、かぎ層Kが深度50 mなら、Kの標高は 180 - 50 = 130 m です。地点Bの地表が145 m、Kが深度15 mなら、Kも標高130 mです。

同じかぎ層の標高が二地点で同じなら、その範囲でほぼ水平な可能性があります。標高が系統的に東へ低くなるなら、地層が傾く可能性を考えます。ただし断層でずれた、地表面が違う、かぎ層の対比を誤った可能性も比べます。

かぎ層をそろえた後、上下の層厚を比べます。厚さが地点間で徐々に変化するなら、堆積物の供給や海底地形の変化を考えます。一地点だけ層がなく、境界に侵食面があるなら欠失の可能性があります。柱状図の記載範囲が途中で終わるだけなら、「ない」のではなく「未観察」です。

二地点を直線で結ぶときも、途中の地層を確定したことにはなりません。断層や侵食、急な岩相変化が隠れている可能性があります。線は資料から支持される範囲を実線、不確かな補間を破線で示すなど、確実さを区別します。

使う

深度を標高へ直す具体例

地点Pの地表標高は200 mで、火山灰Kは深度60 mです。地点Qの地表標高は155 mで、Kは深度35 mです。

  • PのK:200 - 60 = 140 m
  • QのK:155 - 35 = 120 m
  • 標高差:140 - 120 = 20 m

PからQへ同じKが20 m低くなると読めます。しかし、これだけで地層が一様に傾くとは断定しません。途中の地点RでもKを調べ、標高がなめらかに変化するか、断層で急にずれるかを確認します。

次にKの上の砂岩層がPで40 m、Qで10 mとします。同じ地層なら厚さも同じはず、と考えず、砂の供給源に近いPで厚く、遠いQで薄くなる横方向変化を候補にします。化石や次のかぎ層で本当に同じ期間の層か確認します。

手順 行うこと 結論の範囲
1 深度を標高へ換算 各層の高さ
2 同じKを基準線へそろえる 同じ時期の位置関係
3 上下の厚さ・岩相を比べる 横方向変化・欠失候補
4 途中地点・断層資料を追加 傾きや連続性の確かさ

転用する

地図上の複数地点へ広げる

三地点以上のかぎ層標高を地図へ書くと、どの方向へ高く・低くなるかを考えられます。ただし、地表の起伏と地下の地層面を混同しません。山頂だから地層も新しい、低地だから古いとは限りません。

間違いを直す

「紙面の同じ高さにある層は同じ標高」は誤りです。各図の地表標高と深度を読みます。「深度が同じなら標高も同じ」も、地表標高が違えば誤りです。「二地点を結べたから途中も確定」も言いすぎです。途中地点と断層・不整合資料が必要です。

確認チェック

確認1:中心技能を直接確かめる地表標高170 m、かぎ層の深度45 mなら、かぎ層標高は125 mです。各地点で換算してから同じ基準へそろえます。
確認2:誤解を見抜く二地点で同じ層の厚さが違っても別層とは限りません。かぎ層と化石で対比を確認し、横方向の堆積環境変化を考えます。
確認3:別の資料へ移す三地点のかぎ層標高がなめらかに東へ低下するなら傾きの候補、途中で急にずれるなら断層や対比誤りを追加資料で調べます。

まとめと次へのつながり

柱状図は紙の位置でなく、標高・深度を同じ基準へ直し、かぎ層をそろえて比較します。次は同じ岩石なら同時代、同じ地層なら厚さも同じ、という誤答を横方向変化から修正します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。