LESSON 01

柱状図を正しく読む

複数柱状図のかぎ層標高から傾きと地下位置を読もう

複数地点のかぎ層標高と水平距離を比べ、地層の傾く向きと未知地点での地下位置を条件付きで推定する。

複数柱状図のかぎ層標高から傾きと地下位置を読もう

まず知る

このレッスンの役割と到達点

前のレッスンで、地層境界の標高を「地表標高−深さ」で求めました。ここでは、複数地点にある同じかぎ層の標高を比べ、地層がどちらへ低くなるか、未知地点では地下何m付近にあるかを推定します。

必要な情報は四つです。

  1. 地点の位置と方位
  2. 地点間の水平距離
  3. 同じかぎ層だと判断した根拠
  4. かぎ層の同じ境界面の標高

上面なら上面どうし、下面なら下面どうしを比べます。同じ地層でも厚さが変わることがあるため、異なる面を混ぜないことが大切です。

理解する

標高差を水平距離と結び付ける

西の地点Aと東の地点Bは400 m離れています。同じ凝灰岩の上面が、Aでは標高95 m、Bでは標高75 mでした。

二地点のかぎ層標高から中間地点の地下位置を推定する断面西の地点Aで標高95メートル、東の地点Bで75メートルの凝灰岩上面が東へ低くなり、中間地点Cでは標高85メートルと推定される西地点A 地表100 m地点C 地表92 m地点B 地表82 m上面95 m推定85 m上面75 mA─200 m─C─200 m─B20 m低下 ÷ 400 m = 100 m進むごとに5 m低下

AからBへ20 m低くなっているので、このかぎ層は東へ低くなっています。標高差だけでなく方位が必要なのは、「右下がり」という紙面上の見え方ではなく、実際の方角で答えるためです。

20 m ÷ 400 m = 0.05なので、単純化すると東へ100 m進むごとに5 m低くなる傾きです。中間の地点CはAから200 m東なので、10 m低い標高85 m付近と推定できます。

ただし、この計算はAとBの間で地層が連続し、傾きがほぼ一定だとみなすモデルです。断層、しゅう曲、不整合があれば成り立たないことがあります。

使う

地下何mにあるかまで求める

地点Cの地表標高が92 mなら、推定したかぎ層上面は標高85 mです。

地表からの深さ = 地表の標高 − 地層境界の標高

92−85=7 mなので、かぎ層上面は地下約7 mと推定します。「約」と付けるのは、観測点の間をモデルで補っているからです。

別の例として、北の地点Pで標高60 m、南へ300 mの地点Qで標高45 mなら、かぎ層は南へ15 m低くなっています。100 m当たりでは5 m低下します。Pから南へ120 mの地点では、単純な比例なら6 m低い標高54 m付近です。

推定を確かめる

推定した位置で実際のボーリング資料が得られたら、予測と観測を比べます。合わないときは、計算ミスだけでなく、同じかぎ層ではなかった、途中に断層がある、傾きが一定でない、という可能性も調べます。

転用する

三地点以上では一方向ずつ整理する

地図上にA・B・Cが三角形に並ぶと、東西方向と南北方向の両方で標高差が生じます。まず東西に近い地点どうし、次に南北に近い地点どうしを比べます。三地点の情報があれば、二地点だけより傾きの向きをしぼれます。

ただし、点と点を結んだ面は推定です。資料のない遠方まで同じ傾きを延ばしてはいけません。答えには「AとBの間では」「地層が連続し傾きが一定なら」という条件を添えます。

次のレッスンでは、ここまでの計算を妨げる代表的な混同をまとめて修正します。

確認1:直接確認西の地点でかぎ層上面が標高70 m、東へ200 mの地点で標高60 mです。どちらへ低くなりますか。東へ10 m低くなり、100 m当たり5 m低下します。
確認2:誤りを見抜く二地点の柱状図を紙面上で結ぶと右下がりなので「東へ傾く」と答えてよいですか。地点配置で右が東だと確認できなければ答えられません。地図の方位を確認します。
確認3:初見資料へ転用Aから東へ300 mのBで、同じ面が90 mから75 mへ低下しました。Aから東へ100 mの地点の地表標高が96 mなら、面は標高85 m、地下約11 mと推定できます。途中で傾きが一定という条件が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。